八条学園騒動記
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第六百七十一話 野上君の戻る先その一
野上君の戻る先
野上君は帰路についた、その行く先はというと。
「あれっ、こっち研究所だぜ」
「野上君のマンションの先じゃないよ」
「やっぱり家には帰らないか」
「そうするんだな」
「かなり飲んだからね」
だからだとだ、野上君はライゾウとタロに答えた。
「君達も送らないといけないしね」
「おいら達そのまま帰られるぜ」
「普通にね」
「それでもだよ、もう一人いたらそれだけ耳や目があるから」
だからだというのだ。
「いいよね」
「いざって時にか」
「その分安全だってことなんだ」
「そう、だからね」
「野上君は研究所に帰るか」
「そうして休むんだ」
「そうするよ、僕の部屋で寝て」
研究所の中にあるその部屋でというのだ。
「それで朝はね」
「風呂だな」
「それに入るんだね」
「そうしてね」
そのうえでというのだ。
「すっきりしてだよ」
「一日をはじめるんだな」
「そうするんだね」
「そうするよ、これだけ飲んだら」
自覚している言葉だった。
「確実に二日酔いだからね」
「それでか」
「研究所で休むんだ」
「そうするよ」
こう二匹に話した。
「今夜はね」
「そうか、それじゃあな」
「そうしようね」
二匹もそれならと応えた、そうしてだった。
共に研究所に入った、すると博士は丁度ワインをサラミにチーズそれにクラッカーで楽しんでいて部屋に入った野上君達を見て言ってきた。
「うむ、今夜はじゃな」
「ここでお休みしていいですか?」
「よいぞよいぞ」
博士は野上君に笑って応えた。
「そうするがよい」
「それじゃあ」
「それで明日の朝にじゃな」
博士は野上君に自分からも言ってきた。
「お風呂じゃな」
「そう考えてます」
「そちらもよいぞ」
「そうですか」
「それでわしは今飲んでおるが」
博士はこうも言ってきた。
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