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麗しのヴァンパイア

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第四百八十八話

              第四百八十八話  娘達を観て
 華奈子と美奈子の母はドレス姿の娘達にメイクを施してからアクセサリーを着けさせた、そうしてだった。
 外出前の娘達を観て言った。
「凄く奇麗よ」
「そうなの?」
「お母さんが見てもなのね」
「そうよ」
 実際にというのだ。
「普段も奇麗だけれど」
「そうなの?」
「私達普段から奇麗なの」
「お母さんから見たらね」
 そうだというのだ。
「いい感じよ」
「そうだったのね」
「今までそんなこと言われなかったけれど」
「言うのが恥ずかしかったからね」
 だからだというのだ。
「言わなかったけれど」
「今は言うの」
「そうするの」
「もう思わず言葉に出たわ」
 今の二人を見てというのだ。
「ついついね」
「そんなに今の私達奇麗なのかしら」
「そうみたいね」
 双子の姉妹は自分達の母の言葉を受けてお互い顔を見合わせて話した。
「自覚ないけれど」
「そうなのかしらね」
「そうよ、だから胸を張ってね」
 母は娘達に笑顔で話した。
「パーティー行ってらっしゃい」
「お母さんがそう言うなら」
「そうするわね」
 二人もそれならと頷いて応えた。
「じゃあ今から行って来るわ」
「そうするわね」
「靴もわかってるわね」
 母はそちらの話もした。
「それぞれのヒール用意してあるからね」
「それ履くわね」
「そうするわね」
「普段のシューズと全く違うから」 
 ヒールの履き心地そして歩き方はというのだ。
「注意してね」
「うん、教えてもらった通りにね」
「気をつけて歩いていくわ」
「挫いたりしないでね」
 娘達にこうも言った。
「くれぐれもね」
「そうするわね」
「ちゃんとね」
 二人も頷いてだった。
 母に行ってきますと言って玄関に向かった、そしてそれぞれ赤と紫のヒールを履きにかかるのだった。


第四百八十八話   完


                 2022・7・7 
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