| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

現代版ほら吹き男爵

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
次ページ > 目次
 

第三章

「そのこともわかったわね」
「そうよね」
「円加って正直よ」
「それで素直よ」
「絶対に嘘を言わないわ」
「何があってもね」
「けれどね」
 そうした人間だがというのだ。
「とんでもないホラ吹きね」
「まさに息をする様にホラを吹く」
「大山さんが二百メートルの場外ホームラン打ったとかね」
「前はそう言ってたしね」
「お話が大きいのも」
「大き過ぎるのよ」
「実際よりもね」 
 そうなっていることも話すのだった。
「全く以てね」
「そこはちゃんとわかってね」
「お話聞かないとね」
 嘘ではなくともホラがあるということはというのだ。
「そしてね」
「そのうえで一緒にいましょう」
「悪い娘じゃないし」
「そのことは間違いないしね」
「ホラは吹いても」
 それでもというのだ。
「嘘を吐いていないならいいわ」
「嘘は駄目だけれどね」
「ホラはまだ笑えるから」
「だったらね」
「問題はあっても多少位よ」
「それ位よ」
 こう話してだった。
 円加と仲良くしていった、やがてもう彼女のホラを楽しむ様にさえなっていた。それは何故かというと。
「嘘じゃないことは確かで」
「悪意もないし」
「それで誰も困らないし」
「それならね」
 いいと言うのだった、そうして皆彼女と友人であり続けた。


現代版ほら吹き男爵   完


                    2022・9・18 
次ページ > 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧