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夢幻水滸伝

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第二百五十四話 錬金術師の活躍その二

「ずっと」
「大好きで朝昼晩ずっとそれだけでした」
 男は弱々しい声で正直に答えた。
「家族もいないですし蒸せば終わりでおかずもいらなかったので」
「おかず作るのも面倒やしな」
「ついついです」
「白米ばかり食べてたか」
「はい、それが一番安いこともあって」
「それはあかん」
 美蓮は苦い顔で答えた。
「白米ばかりでおかず食べんのはな」
「そうなのですか」
「包や餅も食べてな」
 そうしたものもというのだ。
「おかず、ええのは鶏の肝とか豚肉やな」
「そうしたものも食べればいいのですか」
「そや」
 まさにというのだ。
「とりあえず応急処置するわ、助かるで」
「助かりますか」
「そしてこれからはちゃんとな」
「白米ばかりでなくて」
「色々なもの食べるんや、診たら脚気だけやないわ」
 なっている病気はというのだ。
「全体的に栄養失調や」
「白米だけ食べても駄目なのですね」
「そやで」
 スケルトンの男にも答えた。
「身体は」
「そうなんですか」
「そや、食べものはバランスよくたっぷりや」
「そうして食べることですか」
「さもないとな」 
 そうしないと、というのだ。
「この人みたいにな」
「脚気になって」
「栄養失調になるわ、しかしこれはどんなお医者さんでもそうそうわからんわ」
 美蓮は納得して言った。
「ほんま脚気は中国ではないからな」
「中国人は何でも食べますからね」
「そや、もうな」
 それこそというのだ。
「水のものは船以外」
「何でも食べますね」
「そして四本足のものは机や椅子以外」
「二本足のものは人以外」
「空飛ぶものは飛行機以外」
 美蓮はさらに語った。
「植物は毒があるもの以外」
「全部食べますね」
「そやから何もない状況でもないとな」
 飢饉等食料危機の状況にならないと、というのだ。
「何でも食べるさかいな」
「そうですね」
「脚気になるってことはな」
 今の様にというのだ。
「まずないからな」
「そうですね」
「特に穀物はな」
 主食になるそれはというのだ。
「麦も大豆も食べるな」
「はい、流石に今は稗や粟は食べませんが」
 こうしたものはというのだ。
「昔なら兎も角」
「主食やないな」
「そうですね」
「そやから脚気になることはな」 
 白米ばかり食べてというのだ。
「この世界でも中国では滅多にないさかい」
「どのお医者さんもわかりませんでしたね」
「そや、しかしこれで大丈夫や」
「助かりますね」
「間に合った、ほなな」
 これでとだ、美蓮は笑顔で話した。 
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