| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ドリトル先生のダイヤモンド婚式 

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第十二幕その四

「お子さん達が被っている阪神の帽子も変わってきてるね」
「変わっていない様で」
「随分変わってるね」
「時代によって」
「阪神の帽子も」
「そうだよ、そしてね」 
 それでというのです。
「お孫さんが産まれる頃になると」
「昭和が終わって」
「それでだね」
「平成になって」
「何か徐々に変わってきたね」
「うん、街並みが変わってきたね」
 昭和の趣がなくなってきてというのです。
「洗練されてきたね」
「これまで以上にね」
「昭和三十年代はまだ泥臭い感じだったのが」
「それがね」
「今に近付いてきたわね」
「そうだね、ただね」
 ここで、でした。
 震災のお話も入りました、写真もそちらの時のものになりました。
「神戸にはね」
「そうそう、平成に入ってね」
「大震災があったからね」
「街が滅茶苦茶になって沢山の人が犠牲になった」
「この地震があったよ」
「空襲を乗り越えてもね」 
 お二人が産まれてすぐにです。
「復興して繁栄していると思ったら」
「それがだよね」
「地震で一瞬で崩壊して」
「瓦礫の山になったね」
「これが地震なんだ」
 先生は悲しいお顔でお話しました。
「恐ろしいものだね」
「イギリスではないからね」
「こんな恐ろしい地震はね」
「凄いって言われる地震が日本じゃほんの小さなもので」
「何でもないよ」
「それが日本ではこうだよ」
 まさにというのです。
「非常に恐ろしいものなんだよ」
「そうだね」
「他には台風や火事、噴火、津波、大雨、大雪、雷ってあるけれど」
「日本は兎に角災害が多いけれど」
「その中でもだね」
「地震が一番怖いね」
「日本にいると災害は避けられないけれど」
 このことはどうしてもというのです。
「けれどだよ」
「それでもだね」
「その中でもよね」
「一番恐ろしいのは何か」
「やっぱりこれだね」
「地震だよね」
「僕もそう思うよ、日本に来て怖いものが何かって聞かれたら」
 その時はといいますと。
「災害特に地震だとね」
「言える様になったのよね」
「それは僕達もだよ」
「こんな怖いものはないよ」
「恐ろしい妖精や悪魔より怖いよ」
「何よりもね」
「荒ぶる神と言うけれど」
 先生はこうも言いました。
「まさにね」
「そうだよね」
「災害はそれだよね」
「色々な国で荒ぶる神の力と言われるけれど」
「日本でもそうだね」
「日本では怨霊が災害を起こしたりするからね」
 そうも言われるというのです。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧