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八条学園騒動記

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第六百六十九話 勝ったということにしてその十一

「そうなってます」
「それでこっちではせぬが」
 連合ではというのだ。
「しかしな」
「それでもですね」
「エウロパではな」
「朝から飲まれていて」
「ビールもじゃ」
 この酒もというのだ。
「飲んでおる」
「そうされてるんですね」
「しかし連合ではせぬ」  
 こちらではというのだ。
「わしは日本にずっと住んでおって連合にもおるが」
「二十世紀から日本在住ですね」
「いや、十九世紀からじゃ」
 その時からだというのだ。
「わしはじゃ」
「日本在住ですか」
「それまではパリにおったが」
 フランスの首都だったこの街にというのだ。
「日本の幕末を世界を飛ぶ中で見てな」
「そうしてですか」
「面白い国になったと思ってな」
 そうしてというのだ。
「移住してじゃ」
「それからですか」
「ずっと住んでおる」
 日本にというのだ。
「そうしておる」
「そうなんですね」
「そしてじゃ」 
 博士は野上君にさらに話した。
「日本でも朝からは飲まぬな」
「朝寝朝酒朝風呂は駄目ですからね」
 そうした考えの国だからだというのだ、この三つは遊び人の行いであり家を潰すとされているものだ。
「ですから」
「そうであるな」
「飲むなら夜です」 
 野上君は絶対にと言い切った。
「それこそ」
「日本ではな」
「はい、それに」
 野上君はさらに話した。
「連合のどの国でもです」
「朝から飲まぬな」
「飲むのは夜です」
 あくまでというのだ。
「その時です」
「だからわしもじゃ」
「夜以外は飲まれないですね」
「そうしておる」
 連合ではというのだ。
「その様にな」
「そうですよね」
「それでじゃが」
 博士は野上君にさらに話した。
「エウロパでは確かに朝からビールが普通でな」
「博士も飲まれてますね」
「昔はそうした生活をしておるとな」
 朝からビールを飲む様なというのだ。 
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