スピリチュアルを一気に
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第二章
興津の頼んだビールも来てだった。
すみれが頼んだスピリチュアルストレートのそれも来た、興津はその酒を見て真剣な顔で向かい合って座る彼女に言った。
「あのな、本当にな」
「アルコール度九十七パーセントでよね」
「強いなんてものじゃないからな」
「うん、けれどこれ飲んだらただだし」
「それも含めてな」
「飲むわね」
「ああ、そこまで言うならな」
興津も観念した様にしてこう返した。
「もう止めないさ」
「じゃあ飲むわね」
「何かあったらすぐに助けるからな」
彼氏としてそうすることは約束した、そして。
飲むのを見守ったがすみれは。
肴のホッケの開きを食べつつ飲んでいった、ホッケを半分食べた頃にはもうグラスを空にしていた。
それでだ、興津に笑顔で言った。
「じゃあこれでね」
「本当に飲んだな」
興津は飲み放題を獲得したこと以上にこのことに驚いた。
「凄いな」
「どうも私お酒強いらしくてお家でも家族でよくウイスキーとかバーボン飲んでるし」
「どっちも強いぞ」
「ブランデーもね、うちストレート派だし」
「それでか」
「スピリチュアルもね。流石に強かったけれど」
それでもというのだ。
「飲めたわ、じゃあ飲み放題で飲みはじめるわね」
「凄いな、けれどあまりな」
「強過ぎるお酒はなのね」
「控えろよ、顔赤くなってきてるしな」
見ればすみれの白い顔がそうなってきている。
「だからな」
「あまり強いお酒はなのね」
「飲まない様にな」
「程々ね」
「ああ、しかし今日はな」
興津はビールをジョッキで飲みつつ話した。
「飲み放題ゲットしたし」
「好きなだけね」
「飲もうな」
彼女に笑顔で言ってだった。
二人で飲み放題を楽しんだ、食べ放題もそうした。
すみれは兎に角飲んだ、興津もそうしたが彼はどちらかというと。
食べる方だった、それで二十品平らげた彼にすみれは笑って言った。
「あなたは食べる方ね」
「そうだな、すみれちゃんは飲む方でな」
「どっちもどっちね」
「そうだよな」
二人でそれぞれデザートのアイスを食べつつ話した、二人共もうすっかり顔が真っ赤になっていた。そして満腹にもなっていた。そのうえで店を出た時お互いに笑顔で楽しかったねと言い合ったのだった。
スピリチュアルと一緒に 完
2022・8・22
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