恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百二十五話 丈、学問をするのことその四
「だがそれでもだ」
「それでもか」
「あんたの顔相には色々な災厄のものがあるな」
「貴殿は人相を見ることもできたのか」
「それも医術のうちだからな」
占術からだ。病を見るというのである。
「そこから病を癒すこともしている」
「成程、流石だな」
「それでだ。あんたのその運のなさはだ」
「それは治るのか」
「ああ、治る」
華陀は微笑んで豪語した。
「それもすぐにだ」
「運がすぐによくなるのか」
「これで治る」
またしてもだった。あの金の針を出して言う華陀だった。
「これを額に刺せば一発で治る」
「待て。針を額にか」
「ああ、そうだ」
「そんなことをすれば死ぬではないか」
彼女の常識からだ。華雄は抗議した。
「それはもはや医術ではないぞ」
「いや、運をなおすツボはそこにある」
「占いはツボなのか」
「運気だな。それをよくする必要があるんだ」
華陀はあからさまに疑い声を荒わげている華雄に話していく。
「あんたの場合はそれが額にあるんだ」
「だからその額をか」
「そうだ。針で突けばな」
「運がよくなるんだな」
「その通りだ。ではいいか?」
「死ぬことはないな」
真剣な面持ちでだ。華雄は華陀に尋ねた。
「特に」
「それは絶対にない」
華陀もそのことは保障する。
「俺の針はそうしたものではないからな」
「ではいいのだがな」
「よし、早速突くか」
「頼む」
即答だった。華雄は鼻陀の言葉を受けたのだった。
そうしてだ。華陀はだ。
右手に持ったその針をだ。華雄に突きつけたのだった。そのうえで言う言葉は。
「光になれーーーーーーーーーーーーっ!!」
いつもの言葉を出してだ。華雄の額に針が刺されそこから光が出た。するとだ。
それだけで華雄の顔は晴れやかなものになりだ。
早速だ。小銭を足下に見つけたのだった。
「むっ、これは」
「早速幸運が来たな」
「貴殿の話は真だったのだな」
「俺は嘘は言わない」
真吾と同じ様なことを言う。しかしだ。
それ以上にだ。彼は言ったのである。
「医者王は嘘を言わないものだ」
「医者王だからか」
「ここで勇者王とは言わないことだ」
華陀は何気にこのことには注意してくれというのだった。
「医者王だからな。俺は」
「今はそうだな」
「そうだ。俺はあくまで医者王だ」
それは絶対だというのである。
「頼んだぞ。そこは」
「わかっている。私にしてもな」
「あんたは張飛ちゃんとだったな」
「似ていると言われるが別人だ」
華雄はこのことを強調して言うのだった。
「あくまでそうなのだ」
「そうだな。あんたと彼女は別人だな」
「声が似ているだけだ」
あくまでそういうことにしようとする。
「それで頼む」
「わかってる。そういうことはな」
「済まない。だがくれぐれもな」
「御互いに気をつけなければならないな」
そうした話もした。そして何はともあれだ。
華雄の運はよくなった。それもかなりだ。彼女にもいいことがあった。
そんな中で撤収準備が完了しようとしていた。それを見てだ。
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