八条学園騒動記
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第六百六十七話 攻撃を受けてその十四
「撤退するつもりであった」
「そうだったんですか」
「そして今はな」
「それだけダメージ受けてます?」
「あと少じゃ」
「そうですか」
「中々やる、ただこの機械龍は実は超巨大戦艦より遥かに頑丈でな」
博士はこのことも話した。
「そうそうはじゃ」
「沈まないですか」
「そうじゃ、だがダメージはじゃ」
それはというのだ。
「受ける」
「そうですか」
「言ったであろう、無敵の敵なぞじゃ」
「あるものじゃないですね」
「そんなものを出しては創作は成り立たん」
「馬鹿げた結末になりますね」
「そうなるに決まっておる」
悪役高笑いの結末か途中で投げっぱなしになるというのだ。
「だからじゃ」
「無敵の敵はですね」
「あってはならん」
絶対にというのだ。
「何度も言うがな」
「博士そこは絶対に守りますね」
「美学としてな」
博士自身のそれでというのだ。
「マッドサイエンティストもな」
「悪役なので」
「それでじゃ」
「無敵であってはならないですね」
「わしはそれだけはならずな」
「途中で、ですね」
「ダメージが一定に達するとな」
そうなればというのだ。
「撤退する」
「締め付けを解いて」
「そうする」
野上君に全てを決めている声で話した。
「よいな」
「それじゃあ」
「そういうことでな」
こう話してダメージの状況を見る、そして。
博士はあらためてだ、野上君達に話した。
「まだじゃ」
「戦いますか」
「そうするんだな」
「そうなんだね」
「うむ、そこまで至っておらん」
受けたダメージがというのだ。
「だからじゃ」
「まだこうしてですか」
「締め付けてか」
「攻撃していくんだね」
「左様、ただ頑丈な艦であるからな」
締め付けているゾロアスター級超巨大戦艦はというのだ、非常に大きく装備も強いだけではないというのだ。
「ここまで締め付けてもな」
「潰れないですか」
「何かミシミシって音が聞こえてくるな」
「そんな感じだけれど」
「まだ壊れんな、かなりな」
まさにというのだ。
「頑丈じゃ、よい戦艦じゃ」
「そうですか」
「うむ、これを見てもやはり連合軍は強い」
博士は野上君に話した、そのうえで締め付けを続けさせるのだった。
攻撃を受けて 完
2022・5・9
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