おぢばにおかえり

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。ページ下へ移動

< 前ページ次ページ > 目次

第七十一話　詰所の中その三

「詰所のことは」
「そうなの」
「泊まる場所は代々五階か六階ですけれど」
「他の場所は知らないの」
「どうなってるんでしょうか」
「それならね」
　私は新一君のその言葉を聞いて言いました。
「案内していいかしら」
「そうしていいですか」
「今の私のお家だしね」
　少し笑ってこうも言いました。
「だからね」
「それで、ですか」
「お家の紹介させてもらうわ」
「宜しくお願いします」
「じゃあ今から二人で詰所の中を回っていったらいいよ」
　早速次郎さんが言ってきました。
「そうしたらいいよ」
「そうしていいですか」
「実際に歩いて観て回るのが一番いいからね」　
　こう私にお話してくれました。
「だからね」
「そうですか。それじゃあ」
「うん、今から阿波野君連れて行ってね」
「そうさせてもらいます」
「阿波野君に変なことしたら駄目だよ」
「あの、それ新一君が言われることですよね」
　すぐに次郎さんに言い返しました。
「それって」
「ああ、そうなるね」
「はい、新一君背が高いですし」
　私より普通に二十七センチは高いです。
「それに男の子ですから」
「阿波野君はそうしたことしないよ」
「そうですか？」
「こうした子はね、だから安心していいよ」
「逆に私がですか」
「お姉さんだしね」　
　ここでこうも言ってきました。

< 前ページ次ページ > 目次

ページ上へ戻る

全て感想を見る：感想一覧

おぢばにおかえり

第七十一話 詰所の中その三

第七十一話　詰所の中その三