夢幻水滸伝
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第二百四十九話 義侠心を胸にその十三
「ですから煮るも焼くもしません」
「そうなのですか」
「元の江陵の市長として」
その立場でというのだ。
「これからお願いします」
「有り難きお言葉、では」
敵の棟梁は深々と頭を下げた、こうしてだった。
湖北省は紅美の下で統一された、紅美はそれを受けて兵を武漢に戻し自分もそこで政務を再開した。そうしてだった。
江陵とその周辺敵の勢力だった場所を見るとだった。
「善政ですね」
「はい、真面目に政が行われ」
「確かに治まっていますね」
「そうなっていますね」
「江陵の市長さんは侠気のある人でしたが」
その彼のことも話した。
「政もです」
「優れていますね」
「これは実にです」
「よい政かと」
官吏達もその一体の豊かさを数字で見つつ述べた、そして紅美はそれを見てからこうも述べたのだった。
「私も手本にしたいです」
「そうしてですか」
「よりよい政をされますか」
「そうされますか」
「湖北省は統一されまして政により力を入れられる様になったので、ただ」
ここで紅美はこうも言った。
「私は湖北省からは勢力の拡大だ」
「それはどうされますか」
「湖南省は星の方がおられないですが」
「隣接するあの省は」
「そこまで手が回らないです」
紅美は官吏達に答えた。
「そうしたくとも」
「そうですか、では」
「今はですか」
「湖北省の内政に専念されますか」
「そうされますか」
「そうします」
こう言って紅美は湖北省の内政に専念し省を豊かにしようとした。
だが暫くしたところでだったのだ。
「自分がそっちに来たか」
「そうでした」
紅美は茶を飲んでから施に答えた。
「そして拳を交えてです」
「自分の仲間になったんやな」
「はい」
確かな声で返事をした。
「そうでした」
「そやねんな」
「それで施さんならです」
施を見て話した。
「必ずです」
「この湖北省もか」
「万全に治められ」
そうしてというのだ。
「そのうえで中国も世界も」
「救えるとか」
「思っています」
「ほなそれに応えるわ」
施も確かな声で応えた。
「是非な」
「それでは」
「ああ、それでこれからのことやが」
施も茶を飲んだ、そうしてから話した。
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