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人生コンティニューしたらスクールアイドルを守るチートゲーマーになった

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63話 Starはただ1人




「今のは少し痛かったぜ...........」
「何?」
「え?———効いてなかったのか!?」
「さて..........俺の食らった分、お返しさせてもらうぜっ!!!」


≪≪(マキシマム)ガシャット!≫≫

≪キメワザ!≫

≪≪ ( MAXIMUM ) MIGHTY CRITICAL FINISH!!≫≫


マキシマムマイティXとマイティアクションXガシャットをそれぞれガシャコンキースラッシャーとガシャコンブレイカーにセットする。

そして2つの剣からXの形に描いたピンクとオレンジ・ブルーの斬撃を迅と滅に放つ。

その爆発は俺が喰らった攻撃の数倍は大きい物だと自賛出来る。


「ぐっ...........」
「くそっ.........変身が—————解除されてない!どういうこと!?」
「そりゃそうだ。俺がそういう《《リプログラミング》》したからな。」
「何.........!?」
「何ごちゃごちゃ話してるんだ!!これでも喰らえ!!」


俺の隙を見た迅が興奮気味にショットガンを放つが——————巨大なシャボン玉(?)がチャージされ、俺に向かって放出されるだけで、肝心の銃弾が発射されることはなかった。


「え!?銃弾がシャボン玉になっちゃった!!」
「才、これがお前の言っていた.............」
「そう。魁、お前にはこのリプログラミングの神髄を言っていなかったな。このマキシマムマイティXは変身用のものとは似て非なる物。《《この世のあらゆる情報の初期化及び再構築》》を行う。そして再構築した結果がそのシャボン玉銃だ。プログラムを書き換えることで別の物に変えることもできるし、そのまま初期化させることもできるってことだ。それは生命体でも例外ではない。」
「んなチートな..........」


チートと言われるのが売りのこの俺だ。だがチートとは少し間違っている気がする。チートも含めて実力なのがこの世界だ。ゲームという名の《《制限された》》世界では御法度でも、その点だけは変えられない。

仮に制限されていたとして、それを楽しめば良い。自分に許された実力をより理解することでその力もより強力に化けることができる。どんな力にもその可能性がある事、それをわからずして楽しむことはできないだろうが。


「さて.........そろそろフィニッシュかな。」
「待ちなさい。」
「あ?」


≪ JACKING BREAK!≫


背後から放たれた熱線と冷凍ビームを察知した俺は先ほど放ったX斬りで相殺させる。すると相殺させる目的を超えて、その熱氷光線を押し返し、そのビームの出元へと到達する。


「ようやくこの時が来たな、伊口才。」
「サウザー————またお前か.........!何度も同じ敵はシラけるんだよ...............」
「アキルナァ!!」
「てか何気に今の攻撃もシャインシステムで防いだんだな。」
「そうだ。そして今日こそ君を倒してあげよう。君さえいなくなれば、この内浦は私の手に堕ちたも同然だ。」
「なぁ..........魁、お前はこんな奴と組んだことがどれほど愚かなのかわからなかったのか?」
「組んだつもりはない。ただ........真実が知りたいだけだ。」
「どの道真実は見なきゃ話にならない。そんなくだらない話をするより———————5人もプレイヤーが現れたんだ。俺も全力で遊ばせてもらおう。」


俺は持っていた2本の剣を地面に突き刺し、変身用のマキシマムマイティXと黄金のハイパームテキガシャットを起動させる。


≪ハイパームテキ!≫


≪ドッキーング!≫


「ハイパー..............大変身。」


≪パッカーン! ムー!テー!キー!≫


≪ 輝け!流星の如く!黄金の最強ゲーマー!≫


≪ハイパームテキエグゼーイド!≫


夜空を照らしていた無数の星々が空から降ってくると、エグゼイドの体へと纏われる。そしてその体を無量の光を放つ完全無敵のゲーマーへと変貌させる。


「始めようぜ!!究極のゲームをな——————!!!!!!」






————————※—————————




「これはどういうことだ?オーマジオウさんよぉ?」
「私から語ることは何もない。目の前にあるのが現実————」


白木覗(ねらい)————以前、才と会っていた元μ'sメンバーと深く関わっている人物。今はスクールアイドル活動の保護と推進のために活動している男だ。スクールアイドル及びラブライブ廃止派の過激活動を抑え込んでいる。

その男が再びオーマジオウの居るビルへと談判しに来たのである。


「稜と伊口才が戦っている。そこにアークの創設した滅亡迅雷.net、そしてサウザーまで..........これ以上戦いが続けば必ず犠牲者が出るぞ!!」
「———————だから何だというのだ?」
「なっ........!」
「私の役目はあくまでこの世界のバランスの維持。ライダーに犠牲者が出ようとも私の介入するほどではない。」
「だが...........」
「お前の言いたいことは他にある—————私と同じく世界のパワーバランスが崩されることだろう?」
「あぁ...........嫌な予感がする。オレは日本中を巡っているが、全国で人間が怪人に変貌する件数はますます多くなっている。前にも言ったがそれもオハラエンタープライズとは無関係の........これの意味することはアークがそれに躍起になっているということだ。」


今まで深刻な表情を取っていた覗であったが、突如としてその表情を緩め、溜まっていた息をオーマジオウの荘厳な装甲に軽く吐き出す。


「オレの推察だが、アークはその怪人が生み出された悪意を自身の利用するエネルギーとして回収している。その証拠に怪人に変貌する人間は皆、スクールアイドル廃止論者かアイドル過激信者のどちらかだ————最終目標はいずれにせよ、アーク本体の地上進出だろうな。」
「なるほど...........お前の言いたいことは大体わかった。今起こっている戦いの中で誰かが悪意に芽生えた場合、その強大なエネルギーがアークに渡るということ—————間違いではないな。」
「何?」
「だがそれを止めれば今後に関わる。私の干渉で、より最悪な事態へと発展する可能性もあるからな。」
「伊口才........アイツが世界を救うライダーになるのか?」
「それだけは肯定しよう。その間にどんな選択をするのか—————それは《《私とてわからない》》。」
「だが—————オレはオレの目的のために動く。怪人を倒すのもスクールアイドルを守るのもオレがやってやる。」



そう宣言して、伊口ファウンデーション会長室を立ち去る。

彼が以前どのような思想を抱いていたのか。どうしてスクールアイドルに巡り会ったのか。それが語られるのも近いのかもしれない。

宇宙とは無限に広がる光だ。だがビッグバンが起こる前にはただひたすらの闇があったに違いない。その闇を知ることで光を真に知り、はたまた《《影》》を知るだろう。




—————————※—————————




「どこだ.......!?怪人の位置はこの辺に————あっちか!?」


随分と十千万で時間を喰われてしまったので駆けつけるのが遅くなってしまったが、探知システムに怪人の反応があった沼津駅付近にバイクでやってきた竜介。

あたりを見回していると群衆が交通ルールを無視して、悲鳴とともに逃げ惑うところを発見し、急いで逆の方向へ向かう。

だがここで異様な光景を目にしてしまう。




「な、何だよこれ————!!!《《人間がどんどん怪物》》に........!!」



人間が人ならざる怪物に変わっている光景。バグスターやスマッシュ、ロイミュード、ワーム、ドーパント、バトルレイダーまで三下ではあるが怪人へと変貌させられていた。5、6体は幹部級も現れた。


まさに魑魅魍魎が跋扈する地獄変相。


「あのちょっとライダーっぽい怪人がデータをばら撒いてあがる..........」


竜介はその怪人について探知システムでその怪人について調べる。


奴はどうやら『ゲノムス』という怪人らしい。かつては医者であった男の成れの果てと書かれているがここでは触れないでおこう。



「数が多すぎるけど————やるしかねぇ!!」
「竜介君!!」
「祝!!帰ってたのか!?」
「ああ。長らく我が魔王の要請でやることがあったけど————ようやく本来の任務に戻れたよ。それより今は目の前の敵だろう?」
「おう!!帰ってきて早速だが行くぞ!!」
「ああ!」


テレポートでもしてきたのか突っ込みたくなるくらい突然帰ってきた祝。まぁ彼はオーマジオウの部下であって、決してAqoursの一員ではない。しかしライダーである。皆やるべきことは同じだ。


≪ 投影! フューチャータイム! ≫

≪ 仮面ライダーウォズ!ウォズ!≫


≪ Wake up burning! Get CROSS-Z DRAGON! ≫

≪ Yeah! ≫



「祝!怪人になった人間は倒せば元に戻るんだよな?」
「ああ。確か我が主人が言うには、怪人の様相はあくまでたんこぶのようなものだそうだ。だから倒すことはそれの除去に過ぎないらしい。」
「そうか————才に任せっぱなしじゃダメだ。俺たち大人がまずは頑張らねぇとな!!」
「ああ!!だが君の暑苦しさは大人気ないけどね。」
「うるせぇ!!!」


≪ジカンデスピア! ヤリスギ!≫


≪ビートクローザー!≫


「「はぁぁぁ!!!!!!」」




—————————※——————————




「ムテキゲーマー————!!」
「これがエグゼイドの最強フォーム?」
「あぁ............だが。」
「—————————はっ!!」
「「うわァァァァァ!!!」」


その場にいる5人————特にまともに活動ができる4人に一通り魅せた後に、誰も見えないスピードで1番近くにいた滅と迅にツインパンチを鳩尾に炸裂させる。どうやらベルトがぶっ壊れそうなくらいの火花をあげてさせてしまったようだ。これでも手加減に手加減を重ねているのだが—————————


「バカな.........光速すら止まって見えるトリリオンアイで視認できないだと!?」
「直感だがあれは素のスピードだ。つまりは自分の身体能力だけで光速を凌いでるんだ——————」
「さすがは王の直感ってところか。名答ではあるが、少し違う。俺の速度は自分でも詳しくわからないが、最低でも秒速10京キロはあるかもしれねぇな。もしそんなスピードを出せば地球が滅びかねない。そこでムテキゲーマーに搭載されている遮断フィールドを展開して、現実空間に影響を及ぼさないようにしてるのさ。まぁ、とどのつまり.......俺は半分異次元にいるってことだ。」


普通に過ごしているならこんな数字はまず発見できない。実際さっきあの2人をパンチするときには、もう止まって見えていた。ここでクロックアップも重ね掛けすれば一体どうなるか試してみたいものだ。

ところで光を何兆倍も超えたスピードで放たれる攻撃にはすでにライダーの装甲はおろか、地球を粉々にする力を秘めているのだが———————変わったのはスピード以外にも新たに追加した能力もあることを忘れないでくれたまえ。


「これが........世界最強の力.........!!」
「もう我々に勝ち目はなさそうだが—————《《これでいい》》。この戦いはあくまで前哨戦。この段階に来て我々の目的はほぼ確実なものとなった。後は行く先を見守るのみ。」
「—————————」
「うわっ!!」


膝を付きながらも、内心ほくそ笑んでいるような滅にはローキックを。それに反応した迅には正拳突きを喰らわせ、ガードレールを飛び越え、内浦湾の遥か彼方へと放り出される。

滅と入れ違うようにサウザーはサウザンドジャッカーを天高く翳し、雷鳴を轟かせ、そのおびただしい雷電をこちらに落とす。


「これでも喰らえ!!伊口才ァ!!!」
「そう言われても........喰らえねぇんだよっ!!」
「うわぁぁぁ!!」


雷すら俺の目には止まって見える。スイスイと避けると同時に、サウザーに視認不可能なパンチを5発お見舞いする。5発も喰らった暁には装甲が全崩壊するのではないかという心配の眼差しを地べたへ仰向けに倒れたサウザーに皆が向ける。

だが流石サウザーの装甲は他とは少しレベルが違い、ヌープ硬度100京。そういったことはなかった。今までで2番目に堅いスーツにダメージを与えるのは困難を伴う——————が、俺には容易いことだ。


サウザーはすぐさま立ち上がり、自身の持っているバグヴァイザーを取り出して、データを放出する。データから現れたのはライオトルーパー10人ほど。

専用武器の銃もしくは剣で俺を斬りつけようとする。ただでさえこの場にいる者ですら、止まって見えるのに、こんな三下ライダーの動きなど欠伸が数十回出そうになる。

だがすぐ倒すのも興醒めなので、倒さずに手で払うだけで済ませる。


≪ JACKING BREAK!!≫


するとサウザーの方から突如として道路いっぱいに広がる猛吹雪を伴っている竜巻、まさにブリザードが迫ってくる。


「ブリザードはやめてくれよな..........全く、道路が凍結するだろうが!」
「何だと!?」


群れて俺を襲うライオトルーパー10人をハイパーライドヘアーで一回転して綺麗さっぱり片付ける。そしてそのまま頭部を迫ってきたブリザードに向けて激しく振り回す。

すると迫るブリザードと対をなすように黄金の竜巻が発生。すぐにそのブリザードの大きさを上回り、さらにはそれを飲み込む。


「うわぁぁぁ!!」


黄金の竜巻は飲み込んだブリザードとハイパーライドヘアーから放たれた斬撃を伴って、サウザーだけでなく後ろにいたダークキバやさらに奥にいた滅をも巻き込んでしまう。

これによって3人はさらに奥へと吹き飛ばされる。


「何て力だ...........こんなの喰らっていたら——————」
「こんな風になるってか!!」
「え?————ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


一瞬皆の視界から消えた後、至近距離でジャブパンチを胸部装甲に打ち込む。するとダークキバは今までにないくらいに吹き飛び、かつおびただしい火花が装甲が発生する。そしてパンチと同時に何か爆弾でも落ちたかのような音が周囲に伝わる。


「痛い..........まさか俺にダメージが?核爆弾でも傷つかない鎧なのにどうして.........?」
「闇のキバの鎧は核爆弾で傷1つつかない鎧の3倍強固らしいが—————誰しもダメージを喰らわないなんてことはない。俺以外はな。核爆弾でも傷つかないのなら《《それを上回る》》打撃を喰らわせればいい。」
「何.........!?」


俺の一言に皆が激しく動揺・戦慄させられる。そして1番動揺しているであろうサウザーが俺に叫ぶように言う。


「そんなバカな話があるか!!核爆弾は最低でも15キロトン(15000トン)はある。傷1つつかないのならそれ以上のものでも許容範囲なはずだ。それを上回るだと!?まさか君の攻撃がメガトン(100万トン)級の攻撃だとでも言うのか!?!?」
「メガトン級か...............それどころかギガトン(10億トン)すら軽く超えてるかもな。」
「ギガトン.........?」
「前のアップデートでの能力さ。自分が与えたヒット数だけ、そして自分が攻撃されたトン数だけ《《自分のスペックが累乗される》》。こう言えば理屈がわかるだろ?」
「100兆%あり得ない!!そんな攻撃を実行すれば理論上衝撃波だけで地球が半壊してもおかしくないはずだ!!」
「俺を舐めてもらっちゃ困るね。俺の攻撃の衝撃波は俺の装甲に吸収されるか、その力の向きを一定にして相手に与えるように設定してあるのさ。自壊対策くらいクリエイターとしても基本だぜ。」


つまりは相手の攻撃が強ければ強いほど自分の強さも上がっていく。逆であっても与えたヒット数ごとにスペックが上がっていく。前にも言ったが、ムテキゲーマーは俺自身が最強にしていくように作られているが故、そんな細工を施すのも簡単な仕事だったよ。

俺の言うことが(多分誰も)理解できないサウザーは話す話題が切れた途端サウザンドジャッカーを俺の肩に振り下ろす。しかし俺が斬るのとは違って、斬られるのでは火花すら出ない。

逆に俺は下ろされた刃先を掴み、メキメキと音を立てて肩から退ける。


「もう少し追加した能力もあるが..........試すか。」
「!!!」


必要最小限の力でサウザーのボディを蹴り、サウザンドジャッカーの所有権を強奪する。


「前々からこれで遊んでみたかったんだよな〜」


自分の複眼を光らせてその槍をしっかりと解析する。すぐに解析は終了したので、ご丁寧に投げて返してあげる。そして——————


≪サウザンドジャッカー!≫


「やっぱりできた.........!」
「私と同じ武器だと............!?」
「まさか—————武器まで生成できるのか!?」
「ああ。武器の解析さえ出来れば、どんな武器でも作れる。さて............このサウザンドジャッカーの力。お前で試させてもらうぜ!!稜!」
「ぐわぁぁぁぁ!!!!」
「才お前........!!」


≪ジャックライズ!≫


先ほどまで自分の溢れすぎる力に苦しんでいたスペクターにその刃先を向け、毒を抜く注射器のように紫の余剰エネルギーを吸い取る。

スペクターは苦しみからは解放されたが、同時に疲労感に襲われ、その場に倒れ込んでしまう。だがその状況でも俺に声を発する気概はあるようだ。


「才ぁ.........何をした!」
「お前が苦しんでちゃ全然面白くねぇんだよ。感謝しろよ—————でもこの抜き取った膨大なエネルギーをどうするか.............」
「「「!!!!!」」」
「ま、使ったほうが得だよな。」


≪ JACKING BREAK!≫


サウザンドジャッカーを天に突き上げる。すると巨大な聖火————いや妖火の如く紫の刃が天を貫くように伸びる。これを見て絶望・圧巻されない《《人間》》はいないのではなかろうか。


「誰にしようか..............」
「マズイぞ—————はっ!」
「!!!」
「—————————」
「!?」


ダークキバは俺の背後のスペクターのところに寄って、キバの紋章を盾として上と正面に構える。サウザーはシャインシステムの防御で防ごうと準備する。皆がそれぞれにできる防御耐性を取っているが——————



奴だけは違った。




「俺を斬れ。」
「!?!?!?!?」
「——————————は?」
「それがアークの意思ならば...........従うまで。喜んでこの身を捧げよう!!」
 
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