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人生コンティニューしたらスクールアイドルを守るチートゲーマーになった

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48話 主人公失格です

 
前書き

ひらがな回は日常回。 

 

「やったー!!!50点だ!!!!!!!!」
「目標達成だね!!千歌ちゃん!!」
「やったわね!!」
「うん!!今日は史上最高点を取った祝いだー!!!」
「あぁ..............そうか。」


2年生教室でのいつかの期末テスト返却。そして成績最要注意者であるこの高海千歌の結果がこの有り様である。さて、このニヤニヤする高海千歌の目的はわかっているので早々に結論を出させていただく。


「ふふふ———————忘れたとは言わせないよ!!ここで前に約束させたみかん食べ『却下』ええ〜!!!!!!!!」
「数学50点で逆によくそんなことが堂々と言えたもんだ。クソっ、ほんとは80点を取らせるつもりだったのに...............」
「そんなの無茶苦茶すぎるよ............」
「お前、曜と梨子を見てみろ?」


千歌は2人の顔をキッと見る。ようりこはそんな目線を受け付けずに、自分のテストで顔を隠す。最も目的はそれなのだが.............悲しきかな。どちらも素晴らしく『93』と書かれた素晴らしい一品がそこにある。


「93点!?じゃあ2人がクラス2位だったの!?」
「え............ま、まぁね。」
「何かごめんね千歌ちゃん。」
「何謝ってんだよ、曜。ここら辺気づかせてやらなきゃ。」
「酷いよ!!!才くんの鬼畜ゲーマー!!!」
「ところで才くんは............」


その言葉を待ってました!!!!!———————と言わんばかりに俺はスパッと数学の解答用紙を梨子の目の前に突き出す。もちろん俺の点数は..........


「100点————————やっぱり聞いてないわ。」
「今更遅い!!見よ!!!この偉大なる証明式の数々を!!!!」
「え!?それ解答用紙の裏?何書いてるの...............」
「いやぁ..........解答時間の殆どが暇だったからさ。解答用紙の裏にその問題の根幹の証明を............」
「「「?????」」」
「まぁ要は本当に三角形かとか1+1の証明みたいな感じで...........」
「————————聞いた私がバカだったわ。」
「ぐぬぬぬぬ———————————」
「え?どうした?俺が天才すぎて言葉も出な











「こんな主人公おかしいって〜!!!!!!!!!!!!!!」















—————※—————










「というわけで第1回伊口才主人公適任討論を始めます!!!」
「いや何だよ主人公適任討論って!!聞いた事ねぇよ!!」
「それ前から思ってた。」
「確かに............思っていないかと言われれば、嘘になりますわね。」
「いよいよ主人公交代。」
「虎太郎!!滅相な事素面で言うなよ!!」


このテストが全部返却され、ようやく本格的に活動できるとなったらこんなことを始める。しかもその辺庇ってくれそうな魁と稜が肝心な時にいない!!竜介先生は成績付けで厳しいし.............
ちょっと?花火大会まであと2週間もないほどなんですけど?しかも全員揃ってそんな意見が出ないんですか!?とりあえずやめさせないと..............


「待て!ここ議題自体めちゃくちゃメタい!!メタさは小説という観点でやっちゃいけない事だろ!?」
「いやもうその発言自体がメタイよね。そう思わない?花丸ちゃん。ルビィちゃん。」
「ずらずら。」
「うゆうゆ。」
「擬音語を返事に使うんじゃねぇよ...............てか俺のどこが主人公っぽくないんだ?テストは全教科常勝百点。あらゆる事を知り尽くすIQ測定不能で運動神経抜群の完全無敵の俺が主人公に
「「「「「「「「「それだよ!!!」」」」」」」」」」
「えぇ.............」


そんなこと言われても生まれ持った———————もとい転生した時の標準装備なんだから、文句言っても仕方ないでしょうが。


「別にいいだろ?天才が主人公になったって。」
「まぁ、一部の天才なら受け入れられたよ!?でも才くんは完璧超人だからね!?」
「最初から完璧な主人公にその役は務まらないずら。」
「何か花丸が言ってしまうと妙に説得力あるからやめてくれ.................」


花丸の話す言葉に、信憑性のない言葉は少ないのではないか?と俺は経験上で感じている。明治の文豪たちは世の中の真理を表している物も多いと聞く。

ここで梨子がとある事をツッコむ。


「ていうかこの物語って千歌ちゃんが主人公じゃなかったっけ——————?」
「「「「「「「「「あ。」」」」」」」」」
「梨子ちゃん。」
「ん?」


この世界のブラフマンを突いた発言をした梨子に対して、声をかけたのはルビィ。それも炎のオーラが似合いそうな笑顔で.................


「る、ルビィちゃん?ど、どうしたの?」
「梨子ちゃん、あんまりそういう発言は控えた方がいいと思うなぁ..........さもないとこの世界の認識が壊れちゃうから————————ね(威圧)?」
「は、はい...............」
「————————うゆ?ルビィは一体何を..............」
「「「「「「「「え!?」」」」」」」」」」
「何なのさ..........」
「やめろ果南、これ以上この世界の根底に触れるなって事だ(マジ顔)」


事実、最後のルビィの威圧顔っていうのは死んだ目+真顔だったからなぁ.............


「まぁ、禁断に触れずとも!!才くんが主人公に似合わないのは変わりない!!」
「もうお前俺に一杯食わせたいだけだろ............」
「まず完璧超人なのがいけないよね。」
「うんうん、物語に面白味がないじゃん。全て自分でできちゃったら。」
「お前ら............何、テストの恨みか?あ、そういえば果南。お前あと帰ってきてない数学と化学何点だったんだ?」
「54点と61点。」
「お前もダメダメじゃねぇか。やっぱり普通以下怪獣ちかちーとバカお化け松浦氏じゃ、むりだっt(パチーン!
「「うるさい!!」」


痛てて..........見事なグーパンと平手打ちを両頬に頂いたよ——————この2人は俺に煽られるとすーぐ暴力的になるから.............いや、ムテキだからって生身では痛覚もあるんだよ...........


「やっぱり主人公に向いてないってこの人!!」
「こんな酷いこと言うかな...........主人公ならもうちょっとフォローの言葉を」
「お前らにそんな言葉をかけたら、上昇しなくなるだろ?」
「それに関しては才さんの言う通りですわ。」
「確かにw」
「鞠莉ちゃんまで————————」
「途中から論点ずれてるわよ!?」


善子がツッコむ異常事態——————そうでもないのだが、確かに論点からズレている。ただ俺としてはそちらの方が都合がいいのですけれど............


「マリーの考えでは、才が主人公であることに異論がある人をまとめるのが先じゃない?」
「あぁ............って、俺が納得してどうする!」
「じゃあ才の主人公に異論がある人はraise your hands!!」


手が上がったのは............千歌、果南、花丸の3人。


「よっしゃ!!やっぱり俺が主人公なんだよなぁ〜!!!!」
「ちょっとちょっと!!!反対意見ぐらい聞いたら!?」
「何だよ...............まぁ、それぐらいなら聞いてやるよ。」
「まず何回も言っている通り、才くんは完璧超人なんだよ。1人で全部できちゃうじゃん。もうこれ小説の意味とかなくなっちゃうよね?」
「いやぁ...........それは...........」
「完璧な物は崩れていくことでしか物語を作れないずら。」
「本当にねー」
「花丸の格言はめちゃくちゃ理があるけど、今の果南の相槌ほど意味を解していない物はないな......................」


基本的に真っ当な異論を言ってるのは花丸だけなんだよ...............


「ていうか、才君って本当に完璧なの?スペック的な話以外で。」
「まぁ、性格には難があるけどね。性格に。」
「曜、強調するな強調を。」

梨子の質問に反復構文を使う曜。その件は言い返し様がないからな..........


「じゃあ別に問題ないんじゃ................」
「いや、それも大問題ずら。ルビィちゃん。」
「え?」
「才君の性格が他のキャラの個性を打ち消すことも..........」
「何か聞いてたら、才って意外に主人公じゃないのかもね〜」


ヤバイぞ...................こちら側だった鞠莉が傾きかけてる。このままじゃ本当に主人公の立ち位置が!?


「ちょっと待て!!百歩譲って俺は主人公向きじゃなかったとしても、俺以外だったら誰が主人公になるんだ!?」
「あぁ〜適当にジャンケンで決めればいいんじゃない?」
「めちゃくちゃにも程があるだろ、果南.............」
「「「「「「「うーん..........」」」」」」」」」


ほらほら。仮に俺が主人公向きじゃなくても、他に適任者がいないんじゃ話にならないだろ?


「じゃあ竜介先生でいいんじゃない(適当)」
「適当に決めるんじゃねぇよ.............でもまぁ、シミュレーションしてみるか.............」
「「「「「「「「「シミュレーション?」」」」」」」」」
「そ、つまりはこのスーパーコンピューターで.............」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜



筋肉ヒーローと歩む熱きライブ



毎日ジムに通って筋肉を鍛えまくる好青年 浦江竜介 

そんな彼はとある理由で仮面ライダークローズに!?そしてどういうわけか浦の星学院の熱血体育教師に!?そして設立されたスクールアイドル Aqoursの顧問に!?


5人の仲間たちと共に迫り来る強敵からAqoursと内浦と人々を守れ!!!!


プロテインの補給は済んだか!?行け!!マッスル!!


持ち前の筋肉から来る最強の拳は誰にも止められねぇ!!!




※注意 この物語にはプロテインが多々登場しますが、主人公ほど飲むことはお勧めしません。








〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





「「「「「「「「「——————————」」」」」」」」」
「えっと...........その————」
「梨子、これは言うまでもなく却下だろ。」


滅多に表情の崩さない虎太郎が呆れ果てた表情を見せるほどのことである。ここまでの出来とは俺も思わなかったなぁ....................


「え、何『行けマッスル』ってw」
「鞠莉さん...........これは流石の私でも笑えませんわよ..........」
「それで才、内容はどんななの?」


善子がこのヤベーイ小説の詳細について聞いてくる。マウスホイールを回し、結論の詳細を見て見ると...............


「えっと............筋肉は期待を裏切らない熱い青春マッスルストーリー————————」
「これ面白いと思う?」
「さぁ.........どうかなん?」
「まぁ、読んでみないとわからないって言うし...........」
「これはダメずら。」
「どうして?花丸ちゃん。」


コンピューターが導き出したifストーリーをスパッと否定する花丸。スパッと言い切れる花丸に対して抱いた疑問をルビィはぶつける。それに対して淡々と花丸は返す。


「ラブライブの部分が筋肉に喰われてるずら。これじゃ今の小説の方がマシだよ。」
「酷いこと言ってるけど、正論なんだよなぁw..........『バカは目立つ』ってのは図らずも事実なんだなぁw............」
「そっか—————じゃあ他には..............」
「まだやるのかよ———————」
「よし!!じゃあ魁くんで!!」
「はいはい———————」






〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


闇のキングと愛の戦士




王になるべくして生まれた(?)高校生 小原魁

父親の悪事 崩壊する世界 笑顔失う世界 彼は6人の仲間と世界を救う!!!


さぁ!!ウェイクアップ!!運命(さだめ)の鎖を解き放て!!!








〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜








「ねぇ、さっきから文章が雑じゃない!?」
「しょうがねぇだろ?作者が文章ド下手なんだからさ。」
「それにしても酷いよ!!!」


本当にその一言しかないのである。そもそも役を喰わせているのは明らかに作者である。つまりはこの問題の元凶は全て作者だ。はい、解決。


「脚本も主人公カッコよく描かれそう。」
「クックックッ...............闇!—————ダークネス!!—————ヴァンパイア!!」
「で、プロフェッサー国木田。どう思う?(パーフェクトスルー)」
「無視するな!!!」
「これは————————ある特定の人物にのみ大活躍の期待が集中するので却下ずら(早口)」
「大活躍の期待...............あっ(察し)」
「何よ!!!!」
「うー!!!!あー!!!!!もう!!!!飽きた秋田!!!」
「秋田って...........お前ここは静岡だぞ?」
「いや違うよ!!!」


まぁ文章でなかったら区別つかねぇだろうけどさ...........................


「どっちにしろ才くんが主人公なんでしょ!?!?はいはいわかりましたよ!!!」
「やけくそで認められても嬉しくねぇんだが.............」
「まぁ、結局はこうなっちゃうんだよね。」
「というより本当にこの討論の意義はあったのでしょうか............」
「ダイヤ、やめとけ。野暮だぞ。」






いつも通りの冷静な面持ちで話す虎太郎。そのいつもらしい雰囲気が流れて、ようやく自分たちがやっていたことがいかに愚かを自覚できた。


そして次には笑っていた。その場にいた全員が笑えた。



 
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