八条学園騒動記
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第六百六十五話 とんだ迷惑その四
「その意気だぞ」
「そうですよね」
「俺達を馬鹿にするな」
「そう思うことですよね」
「そうだ、そう思ってな」
そのうえでというのだ。
「敵に向かうんだ」
「博士にもですね」
「あの迷惑な爺さんにも」
「そうしてやるんですね」
「俺達は訓練度が低いとか言われるがな」
ここから弱兵と呼ばれていることも承知している。
「数があってな」
「装備いいですよ」
「その扱い方は心得ていますし」
「身に着けていますから」
「ですから」
兵士達は三等軍曹に応えて話した。
「決して弱くはないです」
「まして規律はしっかりしてますよ」
「もうエウロパ軍以上に」
「あその騎士様よりも」
「騎士様なんてめじゃないだろ」
三等軍曹も言った。
「そうだろ」
「はい、俺達の規律は」
「いつも叩き込まれてますからね」
「何よりも」
「身だしなみに整理整頓に清掃もな」
そうしたこと全てがというのだ。
「しているな」
「はい、いつもですよ」
「軍服にアイロンかけてます」
「靴も磨いてます」
「清掃もしてです」
「整理整頓もしています」
「こうしたことが出来ているとな」
それならというのだ。
「いつも何処に何があるかわかってな」
「すぐに手に取れますね」
「そして動けますね」
「それが可能ですね」
「そうですよね」
「その分強いんだよ」
こう兵達に話した。
「まあ身だしなみはな」
「それはですね」
「恰好付けですね」
「それですね」
「ああ、軍隊は恰好付けるのも仕事だからな」
それでというのだ。
「いつもだ」
「軍服にアイロンかけてますね」
「糊まで使って」
「そして靴も磨いてます」
「それもピカピカに」
「そういうのに力を入れてな」
そしてというのだ。
「訓練はな」
「実戦訓練はですね」
「まさに二の次ですね」
「そうですよね」
「そういうことに熱心で」
「軍服や靴が奇麗だとな」
それならというのだ。
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