人生コンティニューしたらスクールアイドルを守るチートゲーマーになった
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24話 止まらぬBlack out
闇を孕んだ石から発せられた闇の光線はそのままクウガの変身者の身を探し当てたかのように襲い掛かる。そして魂が抜けたかのようにその闇石はサラサラと消えてゆく。
その力は一瞬で解放された。闇の力————————究極の闇の力が虎太郎の体を雷撃のように襲い...........その体を蝕む。
クウガのアークルは徐々に侵される——————————邪悪という名の黒に。
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「素晴らしい......................これがアークが生み出した芸術作品————————
仮面ライダークウガ ライジングアルティメット——————!」
-
究極の闇は動き出す..........
「ライジングアルティメット——————!」
見たことないクウガ————————あのクウガもまた俺はオーマジオウにその姿を映像媒体として見せてもらったことがある。
一説には全てを闇に返す究極の存在。もう一説には正義のために究極の闇を倒す存在。だが、この禍々しいエフェクトからして明らかに前者である——————とは言ったものの、迂闊に攻撃もできない。相手がどのようなパワーを秘めているかよくわからないからである。
「才くーん!!!!皆避難したよー!!!!!」
「———————————!」
「危ない!!伏せろ!!お前ら!!!」
黒い瞳に囚われたクウガは掌から発せられる暗黒の波動を千歌たちに向けて放つ。俺の呼びかけに気づいたAqours6人は危険を察知したようで未然に、その波動を避けることができた。
コイツ—————!虎太郎の意思はないのか!?
「オイ!クウガ!!しっかりしろ!!」
「———————————」
俺はアルティメットクウガを止めようとするが、見事に払われて闇のパンチをお見舞いされる。無論ダメージはないのだが、攻撃の威力が強すぎてノックバックを大きく喰らってしまう。
「ぐっ............やっぱり...............」
「才!何が起こったんだよ!?」
「わからない——————けど、暴走してるってことは確実だ!!」
「その通りだ!!彼は仮面ライダークウガ ライジングアルティメット。アークルの中に秘められているアマダムをアークによって遠隔操作をされるその肉体は極限まで力を高めている!!」
「何だと!?」
「そんなことが——————!」
「さぁ!全てを壊せ!!究極に闇を世にもたらせ!!」
「テメェ!!—————ぐっ!」
「君たちは戦いながら見ているといいさ——————暴徒化した民衆が怪人に変身し、東京を火の海に帰るのをね。」
「東京が?」
「火の海ですって!?」
ウォズとクローズに言い放った一言に千歌と梨子は大きく反応する。それを待っていたと言わんばかりにサウザーは千歌に話しかける。
「そうだ!——————東京を火の海にすることで、復興が行われる。そこで我がオハラエンタープライズがこの日本の復興を支援するという名目で、新しい...........私の理想郷を日本に作るのさ!!」
「そんな下らないことの................そんなことのために!!!お前は観客たちを暴走させて、皆を傷つけたのか!!!」
「多少の犠牲は織り込み済みさ。それは私の計画の実行のために必要なことなのさ。」
「サウザー...................サウザァァァァァァァァァァァ!!!!!!」
俺の怒りはその戦闘スタイルにも現れていた。その怒りを孕んだ左パンチはサウザーの右頬を思い切り吹き飛ばす。それに続いて、握っていたキースラッシャーを持ち直して一撃、一撃と斬撃を喰らわせる。このような殴った後の近接戦法ではアックスモードが活躍の幅を広げる。その切れ味はダイヤモンドすらスパンと切れてしまうかもしれない。
サウザーもサウザンドジャッカーで応戦するが、無意味だ。確かに解析する限りサウザーのスペックは約1.3倍ほど上昇している。つまりは初期値が100兆%ではなく、最大で100兆%ということなんだろう。ということは適合率というものが上昇するほどに力も増すのかもしれない。
だがそんなテクノロジーは俺には通用しない。感情によってその力を増す俺たちの力なら!
「とりゃ!!」
「ぐわぁ!」
「俺は—————!お前を許さない!!!!」
「フン!いいのか?アルティメットクウガをほったらかしにして..........」
「何?——————!!」
アルティメットクウガの暗黒掌波動に千歌たちが襲われようとしていた。俺はクロックアップをも超えるスピードでその暗黒掌波動を受け止める。
これ以上会場に近づくと千歌たちが危ない——————!
「やめろ!!クウガ!!」
「————————」
呼びかけにも応じず、邪悪を纏った拳で俺を殴りつける。大きなノックバックを喰らうが、それを気にせず再びクウガの元に向かう。
サウザーの言っていることが本当ならば、意識がある可能性も十分に考えられる。だが意識があるのだとしたらよりタチが悪い。たとえ虎太郎の意識があったとしても自力で元に戻すことは不可能ということになる————————
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
≪シノビ! 投影! フューチャータイム! 誰じゃ?俺じゃ?忍者! フューチャーリングシノビ!シノビ!≫
≪スペシャルチューン!≫
仮面ライダーウォズ フューチャーリングシノビ——————————ジカンデスピアを鎌モードにして、ダークゴーストを追い詰める。
ジカンデスピアの鎌モードは扱いが少しばかり難しい———————が、その扱いに慣れているのか、切れ味は槍よりも素晴らしくよろしい。さらにそのシノビの機動力はダークゴーストのトリッキーな動きにも完璧に捉え、ダメージを与える。
クローズとリュウガではスペック差が大きいのか、リュウガにワンサイドゲームを繰り広げる。リュウガのソードベントをビートクローザーで受け止めてからの蒼炎を纏ったパンチ。そしてビートクローザーでの斬り裂き。
スペシャルチューンに選んだフルボトルはフェニックスフルボトル。その不死の炎は相手の生命力を焼き尽くすかのようだ。
「よし!ウォズ!!一気に決めるぞ!!!」
「ああ。」
≪ヒッパレー! ヒッパレー! ヒッパレー! メガスラッシュ!≫
≪カマシスギ! フィニッシュタイム! 一撃カマー!≫
不死鳥の消えない炎と、忍者の鎌から放たれる強烈なサイクロンが重なる。そう——————端的に言うならば、竜巻炎とも言えるだろうか。
ただの竜巻ではない炎の斬撃を纏った巻物————————それに遭遇した2人のダークライダーは瞬く間にピクセルへと姿を変えた................
「才!」
「才君!」
「クローズ!ウォズ!お前らはサウザーを止めてくれ!!俺はこのクウガを何とかするから!!!」
「了解した———————!」
「任せろ!!」
「君たち如きが100兆%の力に勝てるかな?」
「勝てる勝てないの話じゃねぇんだよ!!」
サウザーはジャックリングを引いて、シャインシステムを起動させてウォズとクローズに攻撃を仕掛ける。クローズは迫りくるシャインクリスタを受けながらごり押しで進む。一方のウォズはシノビの機動力を活かして、サウザーの背後に回るがサウザーの演算処理と動体視力によって躱されてしまう。そのお返しに———————
≪ジャックライズ!≫
「ぐっ——————!」
「仮面ライダーシノビのデータをいただいた..........!はっ!!」
「がっ—————!」
「どけどけどけ!!!」
「脳筋の君にはこれがぴったりだ——————!」
≪JACKING BREAK!≫
先ほどウォズが必殺技として出した竜巻をそのまま、紫色にしたかのような技である。ただ威力はと言うと此方の方が遥かに高い———————!
そのかまいたちのような竜巻に直撃したクローズは体力を大きく削られてしまう。そしてジャックライズの影響で一時的に弱体化しているウォズをクローズ側に蹴り飛ばす。
「これが100兆%の力!ムテキゲーマー抜きの君たちなど敵ではない...............!」
「まさか相手の能力をコピーする力があるとは.....................」
「でもな————————負けられねぇんだよ!!!」
「ほう...........それは魁を打ち負かしたボトルか..........いいだろう。《《後少し》》だが楽しませてくれ!!」
「舐めんな!!」
≪ボトルバーン!! クローズマグマ!≫
≪クローズマグマ! アーチャチャチャチャチャ チャチャチャチャアチャー!≫
巨大な坩堝からマグマが流れて、八岐の竜が姿を現す。
クローズマグマになったクローズは再び展開されたシャインクリスタを1つ1つを粉々に進む。ジャンプ膝蹴りを喰らわせる。その勢いのままサウザーをタックルで吹き飛ばす。そしてマグマの熱を孕んだ拳でサウザーの鳩尾を殴る。
サウザーもパワーアップを体感できたのかサウザンドジャッカーでクローズを斬り裂く。さらにジャックライズでマンモスの踏み潰し、ホーネットの雷撃、ベアーのブリザードの怒涛の3連撃を喰らわせる。
「流石だが—————100兆%には勝てない。」
「まだだ——————まだ終わってねぇ!!!ウォォォォォォォ!!!!!!」
「どこまで醜く抗うのか...............!」
「ウリァァァァァァァァァァァ!!!!!!」
ボルケニックな一撃一撃はそれだけのエネルギーと重みを伴っている。サウザーにはスペックでは勝っている————————が、サウザーが急に押され始める.................
勢いが増せば増すほど、マグマがほとぼしる。マグマが溢れ出るほどにクローズのパワーは益々と上がっていく。
「スペックが—————上がっているだと!?」
「もう誰にも止められねぇ!!!」
「バカな..........!」
そう才が以前に言っていた通り竜介のハザードレベルは非常に上がりやすい。彼の感受性はそれを助長しているのかもしれない。その力はクローズマグマだからこそ、ハザードレベルが急上昇しているのだろう。
だがサウザーの仮面に隠された顔は変わらない————————!
「まぁ——————じきに全てが変わる.................!」
憎たらしい《《にやけ》》がその後を予感する——————
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「お前らこっちだ!」
「逃げてばっかりだけど、一体どこへ向かってるの!?」
「わかんねぇよ!でもあそこで戦ったら、間違いなく会場が崩れ落ちて被害が大きくなっちまう!」
「でもだからってこんな状態を持ってくるのは—————!」
「どこか広いところに..............」
どこか広いところに行って戦況がどうなるかということはない。ただあの会場が破壊されて千歌たちが瓦礫の下敷きになるというのが、大穴だ。そんな可能では1%でもあるならばそれは避けなければならない。さらに広いところならば、たとえ千歌たちが危険に巻き込まれそうになっても状況把握すらできていれば守ることができる。そのメリットだけで十分だ———————
幸いだがアルティメットクウガの追いかけは比較的遅い。アークというのが遠隔操作しているからなのか、どのみちこの7人で逃げることに助力しているのは変わりない。
「もうすぐ万世橋だ!そこなら障害物もないから自由に戦える!」
「じゃあそこまで走って———————!?!?!?」
「才君!!!あれ—————!」
『『『『『『グルゥゥゥゥ!!!!』』』』』
「何で—————こんなに怪人が...............!」
万世橋前の大交差点に溢れかえっていたのは、車でもましてや一般人ですらない—————————怪人。怪人たちの棲家の如く蠢き、喰らい、溢れかえっていた。一般人は居るには居るが、逃げ惑っている。まるであの会場のような———————!!!!!
「東京が危ないって...........こういうことなのか?」
「才くん.............どうすれば...........!」
「—————————————」
「危ない!!」
「きゃっ!!」
アルティメットクウガの暗黒掌波動がAqoursの頭上を通過する。その波動はそのまま直線に進みながら、向こう側にいた怪人を粉砕する。
「あっぶねぇ——————」
「虎太郎くん............」
「何とか正気に戻ってくれればいいんだけど.............」
「いやそれは違う。」
「どういうことずら?」
「おそらくは肉体だけが、他者から操作されている。それも人間ではないものにな。つまり今のアイツは意識はあってもどうにもできないんだ。」
「人間じゃない?操作?意識?何それどーゆーこと?」
「断片的な単語を並べんじゃねぇよ....................」
正直、こんな状況になっても千歌は千歌なのだと内心ホッとする。そしてそれを呆れる梨子に笑って見守る曜。堕天使発言で和ませる善子にジト目の花丸と困り眉のルビィ。全てが俺の大切な人だ。愛おしく、輝かしい。だからこそ——————!
「愛おしい———————お前たちを守らないといけないんだ!!!!」
「「「「「「!!!!!!」」」」」」
「才くん..............」
『いいだろう!!俺も力を貸してやる!!』
「スペクター!!」
スペクターノブナガ魂が周りにいた怪人とアルティメットクウガに向けてガンガンハンドの銃モードで敵を駆除する。もちろんそんな攻撃ではアルティメットは倒れてくれないのだが。
「やっぱりお前も来てたのか!!」
「勘違いするなよ、才。俺はお前らを含め内浦を守りたいだけだ。スクールアイドルを認めたわけじゃない。」
「わかってるよ——————でも、お前とも目的は同じだから協力してくれるってことだよな?」
「ああ、そういうことだ。」
「何か昔みたいだな。俺とお前でよく勇者とか騎士とか役で3人の姫と戦うなんていう遊びもあったな!」
「昔の話だろうが———————!」
スペクターのノブナガ魂は人海戦術対してかなり有利に持ち込める。つまりは蠢く大半のスマッシュやバグスターらの掃討にはうってつけである。
その間に俺はアルティメットクウガの対処を考える。初期値であっても、今現在のムテキゲーマーのスペックの1.5倍以上と遥かに上回っている。これをサウザーが用意したというなら、これほどまでにムテキを封じる作戦にうってつけのものはないだろう。色々解析はしたいのだが、それは落ち着いていないとできない。だから———————!
「変身解除って結論になるが..............」
「ねぇ、才君。変身ってベルトからなんでしょ?じゃあベルトを外せば変身解除できるんじゃない?」
「それはそうだけどクウガはそれができないんだ。クウガのライダーシステムは変身者の意思とかで出現させるもの。だから外せはしない.......................そうか、そういうことか!!!!」
「「?」」
「梨子!お手柄だ!!大事な本質を見落としてたよ!!」
「本質って?」
「クウガのベルトは自由に召喚できるってことは、体内から生成されてるってことを聞かされてた!!つまりベルトを破壊しても大丈夫ってことだよ!!」
「ええ.........それができるの?」
「やらなきゃ何も始まらねぇだろ?」
「それはそうだけど..............」
ベルトの破壊は他のライダーにとっては大きな痛手だ。けど、再生成できるクウガにはそのリスクはない!!つまり奴のスペックと同等以上の力を—————!
俺は頭部に搭載されている黄金のヘアーで黄金の旋風を引き起こす。その余波で、アルティメットクウガ以後の怪人が多少やられてしまったのは今は放っておこう。
それによって俺の体はさらに輝き始める。そうこれこそが秘策————————光の粒子『スパーキングリッター』による全能力の2倍化である。これによって、アルティメットクウガとのスペック勝負では俺が勝っている。
あとはタイミングである。渾身の一撃を相手に喰らわせる機会を————————よし、これで行こう!
ガシャコンキースラッシャーを敢えてクウガに向けて放る。もちろんクウガはそれに反応して掌波動を放つ————————ここで神業。クロックアップ以上の超光速移動で浮いているキースラッシャーをガンモードにしてスローモーションの光弾を放つ。
クロックオーバーしたかのように時間は動き出し、クウガにその光弾は命中する。その砂煙こそ俺の待ち望んでいたもの——————!
≪HYPER CRITICAL SPARKING!!!≫
照準通りベルトに渾身のキックがPERFECT判定が下される。俺の予想通り、ベルトは木っ端微塵に。そして元に戻った虎太郎の体も大きく吹き飛ばされる。
「虎太郎君!!」
「クウガ!大丈夫か!?」
「大丈夫かって.........お前がやったんだろうが。」
「大丈夫そうだけど...........................」
「迷惑かけたな..............合わせる顔がない。」
「いや、悪いのは————————」
「才くん!!上!!上!!」
「え?」
「何だ—————?」
「自衛隊の戦闘機と軍用ヘリ?」
「才!」
「スペクター!」
「この辺の怪人は一掃できた。けどまずいぞ!怪人が東京中に発生しているらしい!!」
「何だって!?」
この騒ぎはこの首都東京にすでに広がっている———————-とてもじゃないけど間に合わない!!自衛隊の爆撃で果たして大丈夫なんだろうか.........?
——————ん?何か上から落ちて——————!
ドカァン!!!!ドカン!!!!
「え!?爆弾!?」
「あれ自衛隊のヘリでしょ!?」
「何で市街地を襲うの?」
「間違って落とした————————にしては数が多い............」
「数が多い!?!?!?!?」
「マズい!!!みんな!!あの近くのビルに隠れろ!!!!!!!!!!!」
ドカン!ドカン!ドカン!ドカドカン!!!!!!
悲劇は何も——————止まらない..........................................
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