人生コンティニューしたらスクールアイドルを守るチートゲーマーになった
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6話 First Liveと忍ぶ策略
前書き
「前回の、ラブライブ!サンシャイン!!」
「梨子を仲間に迎え入れ、本格的に活動を始める俺たち。だが、そこに浦の星新理事長の小原鞠莉が現れる。鞠莉はライブで浦の星の体育館を満員にすることでスクールアイドル部を承認すると言ってきた。無理難題ながらも飲むしかない俺たちは沼津駅でビラ配りをしていると新たな仮面ライダーが現れ———」
「ちょっと!何オリキャラがあらすじ紹介してるのよ!?」
「オリキャラがしちゃいけないのか........?」
「仮面ライダー——————クウガ...........」
仮面ライダークウガ、平成ライダー最初の仮面ライダーだ。グロンギは彼の放つ封印エネルギーがよく効く。来るタイミングにしては、ナイスタイミングだ。そう彼の正体は........
「やっと来たか——————虎太郎。」
「え?」
星屑が離れ、変身解除。先生も、そして彼も.............
「登場するタイミングが良すぎるだろ。」
「まぁ、悲鳴を聞いたから駆けつけた。それだけのことだ。」
「前あった時と変わらず、クールだな〜」
物怖じせず話す俺に龍介先生は尋ねてくる。
「才........コイツのこと知ってるのか?」
「はい。ツイートでで仮面ライダー募集ってしたら出てきたのが彼ってわけですよ。そこから何回か会っていろいろ—————」
「じゃあ、俺たちに今日紹介するために?」
「ええ。」
勿体ぶらず紹介するが、彼————矢澤虎太郎。先ほど言った成り行きで出会った仮面ライダークウガの変身者。ツイートで仮面ライダー探したら、ヒットしたから探したら彼に行き着いた。
背丈は俺より少し低いが普通の男性よりは明らかに高い方だ。——————何だろう、小さい男の子を想像してしまうのは気のせいだろうか?
「矢澤って——————まさかね、ないない。」
「千歌、多分その推理あってると思うぞ。」
「えっ!?」
「虎太郎は——————元μ’sの矢澤にこ姉弟の末っ子なんだよ。」
「「「「えっ!?ええええええええ!!!!!!!!!」」」」
「あと、俺の家に下宿して浦の星に男子生徒第二号として入学予定だから。」
「「「「「えええええええええ!!!!!!!!!」」」」」
「ルビィと花丸!?お前ら居たのかよ!?」
「いや、その....」
「才くん!—————仮面ライダーはともかく、さっきの話詳しく聞かせてください!!」
ルビィが目の奥にある闘志が見えるほどに前のめりになった。—————てか、仮面ライダーはともかくって何だよ。お前らもしっかり見ちまってるじゃねぇか。
————※————
「————てなわけで、スクールアイドル部を手伝ってくれる矢澤虎太郎君でした。おしまい。」
「まだ手伝うなんて言ってないんだが........」
「浦の星男子第二号としてそれ以外ありえんだろ。一号もそうなんだから。」
「仕方ないなぁ。タダで学校通わせてもらうんだったら、これくらい我慢しないといけないか......」
カットされた部分で言っていたことだが、矢澤家は上3人の教育費で困窮していたところに出費が嵩んで虎太郎は独学で勉強という状況であったらしい。そこで俺がこの学校に通うことを提案したってわけ。学年としては俺と同じ2年生なのだが虎太郎は学校に通っていないにも関わらず、独学でかなり勉強しているからか高1の勉強は既にバッチリであった。——————賢い奴が周りに増えて俺は嬉しいぞ〜!
ちなみに花丸とルビィには大雑把に説明した後に仮面ライダーのことを釘に刺して帰っていただいた。あと、竜介先生は仕事が残っているとのことで学校に戻っていった。—————体育教師の仕事ちゃんとできてるのか?
「じゃあ、虎太郎君はここで住むんだ。」
「ああ、世話になる。」
「お調子者で天才の才君とはまた違った天才肌ね。」
「........梨子、お前は俺をそんな目で見ていたのか..........」
出会ってからまだ1週間も経っていないのに......この扱いは酷くない?
「前来た時からだいぶ変わってるな〜」
「ほんと、今まで難しそうな辞書ばっかりで嫌気がさしてたけど今は半分はゲームが置いてあるもんね.......」
「旧式から最新までたっくさんあるわね.......」
「お前ら......部屋紹介をしに来させたわけじゃないぞ。」
「いつのまにかゲーミングPCに変わってるし。—————また今度遊ばせてくれる?」
「千歌たちが舞台で活躍したら、な?」
「よーし!気合が出てきたのだ〜!」
千歌はこんなこと言っておけば、十二分に力を発揮できる。————ふっ、チョロいぜ。
そんなことを話していれば、虎太郎が思わぬところを突っ込んだ。
「ところでさ.........お前らのスクールアイドルグループの名前って何なの?」
「「「「あっ............」」」」
「決まってないんなら、まずはそこからでしょ?」
「忘れてた〜!!!!」
———————※———————
「まさか決めてないなんて。」
「梨子ちゃんだって忘れてたくせに。」
「取り敢えず早く決めなきゃ。」
虎太郎には留守番してもらい、内浦に戻ってきた。虎太郎にはまた内浦に来てもらうつもりだ。
「そーだよね〜どうせなら、学校の名前を入れたいよね。————浦の星スクールガールズとか?」
「まんまじゃねぇか。そんなんじゃ、絶対売れないだろ。」
「じゃあ、才くん決めてよ!」
「ええ〜——————ベイスターズってのは?」
「なんか野球チームみたいになってるわよ.........」
監督が誰かの意思でコロコロ変わりそうなチーム名だな。やめとこやめとこ。
「じゃあ、梨子はどうなんだ?」
「私!?」
「確かに梨子ちゃんなら、東京の最先端の流行がわかってるはず!」
「えっと.......じゃあ——————3人1組だから、スリーマーメイドとか.......?」
「「「—————————」」」
「待って!今のなし!」
センスが人並みズレている梨子の次は曜に答えさせる。
「じゃあ曜は?」
「それじゃあ——————制服少女隊!」
「却下(即答)」
趣味ダダ漏れじゃねぇか。
「ないね。」
「ないわね。」
「ええ〜!!」
ここで梨子が悪い笑顔で千歌に横目をやる。
「うーん、やっぱりこういうのは言い出しっぺが決めるべきよね。」
「うわー、また戻ってきた........」
「じゃあ制服少女隊でもいいの!?」
「スリーマーメイドよりは確実にマシだな。」
「確かに。」
「それはなしって言ったでしょ!?」
「だって————————ん?」
千歌がふとしたときに見つけた海岸での落とし書き。———
『Aqours』
「これなんて読むの?——————えーきゅーあわーず?」
「アキュア?」
「Aqours《アクア》————じゃないか?」
「水ってこと?」
「水かぁ——————ねぇ!なんか良くない!?グループ名に!」
「これを?誰が書いたのかもわからないのに?」
「だからだよ。———グループ名決めるときに偶々この名前に出会った.......それってすごく大切なんじゃないかな!?」
「そうかもね。」
「このままじゃいつまで経っても決まりそうにないし。」
「じゃあ、この出会いに感謝して今から私たちは
『Aqours』!」
この時偶々出会ったグループ名————Aqours それは偶然に見えて必然だった。
彼女たちは…..まだ引き返せる可能性は微々とはいえ、存在する。
その…ある意味呪いのような名前なのかもしれない。
—————※—————
「ふーん、Aqoursね。」
「偶然見つけたにしてはいい名前だと思わないか?」
「確かにな——————それにしてもこの料理かなり凝ってるな。」
「俺が作った家事ロボットは相手の欲する味覚を感じ取れる代物だからな。さらに警備ロボットなんかも—————」
「その話は何回も聞いた。もう飽きたからやめろ。」
「しゃーねーな。」
そう食事をすすめる中….虎太郎は手を止める。
「———————思い出した。その話、どっかで聞いたことあると思ったら姉さんから似たような話を聞いたことがあった。」
「姉さんってμ'sの矢澤にこさんから?」
「ああ、元祖μ'sも3人だったんだがグループの名前を決めるときに投票箱設置して、入っていたのが『μ’s』最初は誰が決めたか分かんないって点では同じだろ?」
「落書きではなくとも書いたのが誰かわからなかったところは似通ってるな........伝説への挑戦は着実にクリアしていってるってわけか。」
「そろそろ町内放送の時間じゃないか?」
「ああ。—————チャイムが鳴った。あいつら上手くできるか....?」
前に家は沼津であると言ったが、正確には内浦と市街地の境目にあるので町内放送はギリギリ聴けるのである。ただ聞こえづらいと思ったことはそこまでない。—————虎太郎にドンと魅せてやってくれ!
『『『浦の星学院スクールアイドル『Aqours』です!!!』』』
『ちょっと待って!まだ正式な公認もらってないんじゃない?』
『あ〜そうだった————じゃあ、浦の星学院非公認スクールアイドルのAqoursです。———今週の土曜日14時からに浦の星学院体育館にてライブを——』
『非公認って言うのもあまり良くないんじゃ————』
『もう!じゃあ何て言えばいいの〜!!!!』
「「—————————」」
「グダグダすぎるだろ.........本当に大丈夫と思うか虎太郎?伝説への挑戦は?」
「さぁ.........でも姉さん《《たち》》が言うには放送事故もよくあったって。」
「それにしてもひっでぇ放送だったな........」
何だろう.........ダイヤの怒りが今にも飛んできそうな気がして震えが止まらないのだが、気のせいだろうか...........?
ピリリピリリ
「今の放送で目覚めたんじゃないか?」
「だとしたら、最悪だ。——————さぁ、行くぞ!」
「おう。」
最近わかったことだが、この腕時計は怪人が現れたことを感知するわけではなく近隣で仮面ライダーに関わることがあった場合にアラームが鳴る。ただどちらにせよ有事であることには間違い無いのだから、行かなくてはならない。さらに追記しておくと逃げた敵は位置情報の特定がしやすくなるのも忘れてはならない。
腕時計曰く、前に逃したグロンギっぽいな。
—————※—————
「ザジャブビズゾバゴガバベセダ.........」
「何処へ行くつもりだ?」
「!!————— ガバダパ!」
「アークの意志に背きし怪人よ、今ここで『王』の判決を言い渡す。」
「ゴダグベブザガギ!」
「死だ!」
「!!!!」
「サガーク!」
王の呼びかけに応じるように浮遊し、ラ・ドルド・グに体当たりを喰らわす。
そして、王と名乗る青年の腰に巻きつく。
青年はリコーダー型の鍵を取り出し———————
「変身。」
≪ヘンシン!≫
青の鼓動とともに鎧が形成されていく。七色に光る硝子を胸部に纏しまさしく王の仮面ライダー————仮面ライダーサガ。
≪ウエイクアップ!!≫
空に禍々しい紋章が現れる。その奥に地獄でもあるかのような禍々しさ。
「ダグベデブセ!ギビダブバギ!!」
「はぁっ!!」
リコーダー型の武器の先端が、曲がり畝る鞭に変形し——————グロンギを貫く。紋章まで高く跳び、鞭を処刑台の縄のように吊し上げる。
宙に浮き、抗う死刑囚。————縄は無情にも切られて処刑は完了した。
「随分と変な場所だな.........」
虎太郎がそう言うのも無理はない。この広大なみかん畑は内浦ならではの光景だからだ。だが、怪人がみかん畑で悪さするとも考えにくいが........
「何処だ?—————虎太郎、急に立ち止まってどうしたんだ?」
「おい—————あれ見ろよ。」
虎太郎が見た者——————爆煙の中に見えた白い装甲に青の複眼。城の硝子を思わせる装飾。仮面ライダー———————そう、仮面ライダーサガ。
「—————グロンギを倒したのはお前か!?」
「............仮面ライダーエグゼイド、仮面ライダークウガ。」
「「!?」」
「アークに抗うお前たちもまた罪深き仮面ライダーだ。」
「アーク?何なんだ!?お前は何者なんだ?」
「お前らに答える義理はない。——————また会う時がお前らの最期だ。」
「オイ!待てよ!!—————チッ、逃げられたか。」
「————グロンギが殺されたのは事実らしいな。」
「アークといえば、箱舟だけど.........どういう意味なんだ?」
「アーク.........アークルみたいなものか?」
「アークルって、クウガのドライバーのことだろ?」
「ああ、俺の場合はある人から受け継いだんだけど......」
「ある人って?」
「それは機密事項だ。約束でそう決まってるからな。」
「そうか—————千歌たちのライブが邪魔されなければいいが........」
—————※—————
それからはひたすらな練習、曲作り、振付修正。やれることは全てやった。俺は梨子が作曲した音楽を編曲と編集をし、完璧なCDへと作り替えた。それ以外にもコンピューター関係の仕事は全て引き受けた。
竜介先生も持ち前の体力と熱血さを見せて、駅でチラシを配りまくった。虎太郎には東京の知り合いなどにも参加を促すように言っておいた。
「才、上手くいくといいな。」
「何言ってんだよ、お前もマネージャーの1人だろ?」
「スクールアイドル部が解散になったら元も子もないだろ?」
「絶対成功するさ。—————成功しない方が不思議なくらいだ。」
「そうか—————じゃあ、俺は見守らせてもらう。ファーストライブ次第じゃ、俺も全力で協力させてもらう。」
「おう、ゼッテーに協力させてやるさ!」
流星の如くスピードで家を駆け出る。今日の天気は—————雨。サンシャインは遠くへと離れていた。俺は雨にも濡れぬほどのスピードで十千万のモーニング目掛けてぶっ飛ばした。
—————※—————
「やっぱり慣れないわ..........こんなに短くて大丈夫なの?」
「大丈夫だって!μ's最初のライブだって—————ほら、これだよ?」
「はぁ.......やっぱりやめておけばよかったかも。スクールアイドル。」
「大丈夫!ステージに出ちゃえば忘れるよ!」
「そろそろだね.......」
「一応、竜介先生は観客側にいて貰ってる。先生からの伝言も兼ねて—————頑張れよ、お前らなら絶対に起こせる。奇跡をな。」
俺の言葉に———千歌は…抱きついた。その愛に生きる瞳を俺に向ける。
「本当に.......ありがとう。才くんがいなかったら、千歌はここに立ってない。」
梨子と曜は俺の肩に手を乗せる。
「私も、才君がマネージャーにならなかったらスクールアイドル初めてない。」
「私も、才君が助けてくれてなかったらスクールアイドル初めてなかった。」
「私たちは、そんな才くんたちにも歌を届けたい。輝きを見せたい!」
舞台袖からそう言って3人は登った。光照らされる、ステージの上へ!
だが
観客数は数えられる。それだけでこの状況を打ち壊したいほどに嫌になった。
俺の見る限り花丸やルビィ、鞠莉、ダイヤ、そして謎のサングラスの方。そうであったとしても俺なら絶対に踊り、歌うことなど拒否するだろう。
だが————
「私たち!浦の星学院スクールアイドル『『『Aqoursです!』』』
「私たちは、その『輝き』と!」
「『諦めない気持ち』と!」
「『信じる力』に憧れ、スクールアイドルを始めました。目標はスクールアイドル…μ'sです!聞いてください!」
ダイスキだったらダイジョウブ!
〜〜〜〜〜〜
ライブは進む…..ただ虚しく
いや。
彼女たちは…..そんなことを求めてるんじゃない。
Aqoursは….等しく愛を———
バン!
嫌な音。嫌いな音。
サンシャインなんて似合わない暗闇が広がる——————サビの前でこんな悲劇はあるだろうか?
俺は————今すぐにでも壊したかった。
舞台袖から現れて何もかも壊してしまいたいぐらいだった。
様子見に現れた竜介先生が必死に抑えてくれていたのでよかったが。
こんなところで、まだ始まってすらない挑戦が潰えるのか?—————
実際、梨子も、曜も悲しみを含んだ困惑だった。千歌はすでに涙目になっていた。前髪でその目が見えずに—————
「バカチカ〜!あんた、開始時間間違えたでしょ!?」
嫌なものを全て吹き飛ばすような快晴な声。美渡さんの声は、体育館中に明るさをもたらしていた。
バン!
嬉しい音。奇跡の音。全てを晴らす音。太陽の輝きが俺たちを再び照らし始めたんだ!それもとてつもない量の観客を連れて!!!!!!!!!
そうこれは—————!
「本当私—————バカチカだ..........!」
そう彼女たちは挫けない。ダイスキがあればダイジョウブなんだ!!!!
〜〜〜
歓声。歓喜。
俺も竜介先生も飛び上がった。
本当に飛び上がったんだ。語彙力も一緒に失ってでも、祝いたかった。
そう、輝きは見つかったんだ。
輝きがある限り、俺たちは挑戦の連続。その歴史がここから始まる———!
「彼女たちは言いました!」
「スクールアイドルはこれからも広がっていく!どこまでだって行ける!どんな夢だって叶えられると!」
確かにそれは小さいものであったのかもしれない………だが。
迫り来る——固き現実。
「これは今までの、スクールアイドルの努力と、街の人たちの善意があっての成功ですわ。勘違いしないように!」
「分かってます!」
「!?」
ダイヤの現実深く刺す刃物のような言葉は、千歌の太陽の如く言葉で木っ端微塵となった。
「でも…でも、ただ見ているだけじゃ始まらないって!上手く言えないけど…今しかない…瞬間だから…だから!!」
『輝きたい!!!!!』
後書き
展開が怒涛すぎてワロエナイ。
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