ドリトル先生のダイヤモンド婚式
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第二幕その十二
「無間地獄があるね」
「阿鼻叫喚地獄ともいいますね」
「この地獄の下はね」
「ないですね」
「そして不幸もだよ」
これもというのです。
「どん底があってね」
「そこから下はないですね」
「奈落があっても」
それでもというのです。
「奈落にも底があるね」
「奈落の底って言いますね」
「だからね」
「不幸とか地獄とかには底がありますね」
「けれど幸せにはね」
「お空と同じで」
「何処までもあるから」
だからだというのです。
「いいんだよ」
「今以上の幸せを求めても」
「人の迷惑にならないなら」
それならというのです。
「いいんだ」
「じゃあ先生も」
「ずっとこれで満足と思ってね」
「結婚まではですね」
「考えてなかったよ、幸せはその時点で満足してもいいしね」
「そこはその人それぞれですね」
「それで僕はそちらでね」
それでというのです。
「ずっとそう思っていたけれど」
「はい、これからは」
「考えを変えてね」
「結婚もですか」
「少しでも前向きに」
「考えていきますか」
「そうしてみようか」
考えながらの言葉でした。
「本当にね」
「そうして下さいね」
「うん、やっぱり僕も結婚するといいんだね」
「はい、というかです」
「というか?」
「先生より遥かに酷い人間性の人が結婚していますよ」
トミーはこのことも言いました。
「ふわりの前の飼い主の人達にしても」
「あの人達だね」
「今はああなっていますが」
禁治産者になって酒浸りになっているというのです。
「何もなくなって、ですが」
「それでもだね」
「ああした人達でも結婚出来ましたし」
「僕だってだね」
「結婚出来ますししてもよくて」
トミーはさらに言いました。
「すべきです」
「そうなんだね」
「ですから」
「結婚のことはだね」
「前向きにです」
「考えることですね」
「そうされて下さい」
こう言うのでした。
「宜しいですね」
「それでは」
「はい、お願いします」
こう言ってそうしてでした。
先生に結婚のことをさらにお話しました、そのうえで。
先生に勧められて一緒にお酒を飲みました、先生はそのトミーに笑顔で結婚のことをさらに言うのでした。
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