八条学園騒動記
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第六百六十二話 気付けば二本その十
「そうなる」
「そうですか」
「つまりその漫画の原作者はな」
「下品で無教養で」
「異常に短気であったのじゃ」
「そんな野蛮人だったんですね」
「実際に店に入ってまずいと思ったら怒鳴り散らしておったらしい」
つまり気に入らないと営業妨害を繰り返していたのだ。
「そうしておった」
「最低の奴ですね」
「しかも権力を持っておった」
「腐敗した権力者ってやつですか」
「漫画原作者として地位を得てな」
「漫画界で、ですか」
「力があってな」
それでというのだ。
「権力者でありその権力もじゃ」
「使っていたんでsね」
「そして老害にもなっておった」
そう言われる存在にもというのだ。
「そうであった」
「とんでもない奴ですね」
「そのとんでもない奴の作品じゃ」
「とんでもない作品だったんですね」
「読めばそれだけで愚かになる様なな」
そこまでのというのだ。
「そんな代物であった」
「読むだけで馬鹿になるんですね」
「愚かな主張を鵜呑みにすれば愚かになるのう」
「はい、我が闘争を鵜呑みにしたら」
野上君は連合の倫理観から述べた。
「ヒトラーの言うことを」
「そうすればヒトラーになると言うのじゃな」
「そうですね」
「理屈ではそうじゃ」
博士も否定しない。
「愚かな主張を言っている本を読んでな」
「それを鵜呑みにしたら」
「愚かになる」
「そうですよね」
「それでじゃ」
その為にというのだ。
「その漫画はな」
「読むとそれだけで、ですね」
「愚かになるな」
「そんな漫画だったんですね」
「それで内容があまりに酷いことがわかってな」
これはインターネットが普及して一般の読者達に内容が検証される様になってから
一般化した。
「それでじゃ」
「批判されて」
「それで震災の時にな」
東日本大震災の時であった。
「原発事故があってな」
「それネタにしたんですか」
「現場に行って鼻血が出たとな」
「それってかなり重症ですね」
野上君はすぐに述べた。
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