麗しのヴァンパイア
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第四百五十九話
第四百五十九話 香水
梨花もパーティーに行く準備を進めていた、それで熱心に本を読んだりしていたが同居している祖母に言われた。
「梨花ちゃん、もう一つあるのよ」
「もう一つ?」
「お風呂に入ってメイクしてドレス着てね」
そうしてというのだ。
「それだけじゃないの」
「それで充分じゃないの?」
「お洒落は香りもなのよ」
もう髪の毛はすっかり白くなっていて皺だらけの穏やかな顔の祖母は孫娘を優しい目で見つつ話した。
「それもあるのよ」
「香り?」
「いい匂いがするとね」
それならというのだ。
「もっといいのよ」
「奇麗な服を着るだけじゃなくて」
「そう、香りもいいから」
「ええと。だからお風呂にもね」
「入るのよね」
「そうするけれど」
「お風呂もいいわ」
祖母もそれはいいとした。
「勿論ね」
「そうよね」
「身体を奇麗にして」
そしてというのだ。
「シャンプーや石鹸の香りがしてね」
「いいわよね」
「ええ。けれどそれにね」
「もっとなの」
「いい香りを備えるべきなの」
「パーティーに行くには」
「そうよ。香水を付けてね」
「香水?」
「そう、香水をね」
それをというのだ。
「点ければいいのよ」
「香水はいらないんじゃ」
「それがいいのよ」
「いいの」
「付けなくてもお洒落になるけれど」
それでもというのだ。
「付けると余計にいいから」
「お洒落になるから」
「付ければいいのよ」
「そうなの」
「だから考えてみてね」
「ええ」
梨花は祖母の言葉に頷いた、そうして暫くネットで香水のことを調べた。これまで考えたこともなかったがそうした。
第四百五十九話 完
2022・4・4
ページ上へ戻る