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オズのホボ王子

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第十幕その十一

「食べられる様になっているわ」
「それは何よりじゃ」
「そもそも河豚自体食べなかったわ」
「そうであるな」
「最近になるまでね」
「河豚鍋は日本の料理じゃが」
「和食なんて昔はオズの国になかったから」
 だからだというのです。
「どうしてもね」
「河豚自体をのう」
「食べなかったわ」
「そうであったな」
「そこも変わったわね」
「うむ、しかし食うとじゃ」
 その河豚をというのです。
「これがじゃ」
「美味しいのよね」
「あんな美味い魚もそうはない」
「本当にね」
「河豚は外の世界じゃ毒がありますけれど」
 ここでこう言ったのはジョージでした。
「けれど」
「オズの国では違ってな」
「それで、ですか」
「安心して食える」
「そうなんですね」
「だからな」
 それでというのです。
「皆もじゃ」
「安心して食べられますね」
「そうじゃよ。オズの国で毒のある食べものはない」
「何か外じゃ毒のある茸があるんだって?」
 ボタンが言ってきました。
「そうなんだって?」
「うん、そうだよ」
 ジョージはボタンに答えました。
「そうした茸もあるよ」
「そうなんだね」
「それで食べると大変なことにもなるんだ」
「僕には想像も出来ないよ」
 ボタンはぼんやりとした中に考えるものがあるお顔になって応えました。
「そんなことは」
「ボタンはオズの国にいるから」
「だからだね」
「オズの国の常識の中にいるから」
「外の世界のことはだね」
「知らなくてね」 
 どれでもというのです。
「当然なんだよ」
「そうなんだね」
「けれどオズの国では」
 ここではというのです。
「毒茸はないんだね」
「僕茸も大好きだけれどね」
「それはいいことだね」
「うん、ただどの茸がどういった種類かはね」
 このことはというのです。
「よく知らないよ」
「そうなんだ」
「僕はね」
「いや、茸も実に多くの種類があるんだよ」
 ここで教授が学者として言ってきました。
「実にね」
「そうなんだ」
「そう、だからね」
 それでというのです。 
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