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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第百二十一話 張勲、昼に寝るのことその一

                          第百二十一話  張勲、昼に寝るのこと
 孔明も鳳統もだ。深刻な顔でいた。
 その顔でだ。また劉備に話していた。
「星の動きを見ているとです」
「本当に間も無くです」
「来るのね、敵が」
 劉備もだ。二人の言葉を聞いて頷く。
「そしていよいよ」
「戦いです」
「それがはじまります」
 こう劉備に言うのである。
「おそらく火で来ます」
「それをどうするかは既にかなりの対策を用意してきていますが」
「それが効果があるかよね」
「ただ火が起こるだけなら問題はありません」 
 それはいいとだ。孔明は話す。
「消火できます。しかしです」
「敵はそれだけではありません」
 鳳統も言う。
「雷に風、それにです」
「妖術も一杯あるわよね」
「妖術にも結界を張っていますが」
 鳳統はそれも大丈夫だと話しはした。しかしだとだ。
 曇った顔のままでだ。彼女は劉備に話すのだった。
「私達が見ていない術を使ってこられると」
「かなり危険です」
「草薙さん達から敵の術についてはあらかた聞いてるけれど」
「それで対策は一通りしました」
「それは確かです」
「けれどそれでも」
「敵も必死です。何をしてくるかわかりません」
「ですから。私達もです」
 どうかというのだ。彼女達もだ。
「何があっても冷静さを保ってです」
「戦いましょう」
「こちらから攻めることは無理なの?」
 劉備はここで攻撃について述べた。
「守りに徹してるけれど、私達って」
「それも考えたのですが」
「黄雛ちゃんや他の軍師の方々とも」
 会いそうして話し合ってだというのだ。
「迂闊に攻めると彼等の術にかけられます」
「逆にです」
「攻める時にはあらゆる結界がありませんし」
「ですから危険です」
「結界は軍全体ではなく陣にかけてるからよね」
 劉備も結界については把握していた。そのことはだ。
「陣にはかけられても軍全体となると」
「はい、軍は行動を移すと陣よりも遥かに拡がります」
「あまりにも広過ぎて結界を張れません」
 広さの問題だった。
「陣だけでも一杯なんです」
「大軍ですし」
「だからなのね」
 劉備も腕を組み困った顔で述べる。
「そういうことなのね」
「はい、そうです」
「その通りです」
 軍師二人もこう話す。そしてだった。
 今度はだ。劉備からこう言った。
「じゃあやっぱりここは」
「敵を迎え撃ちましょう」
「そうするしかありません」
 孔明と鳳統も応えてだった。これで方針は決まった。
 連合軍は敵を待ち受けていた。しかしだった。
 袁紹と孫策は港で向こう側を憎々しげに見てだ。こう話していた。
「同じ考えとは思いませんでしたわ」
「ええ、私もよ」
 二人は顔を見合わせて確かな表情で話していた。
「ここはうって出るべき」
「そして敵を一気に倒すべきよ」
「攻撃こそ最大の防御」
「まさにその通りね」
「そしてその先陣こそは」
 ここで袁紹が言った。
「わたくしであるべきですか」
「いえ、水の戦いよ」
 しかし孫策も言うのだった。
「それだったら私しかいないじゃない」
「貴女が先陣を務めるといいますの?」
「そうよ。袁紹は董卓との戦いの時は盟主だったじゃない」
「だから先陣は駄目だと仰いますのね」
「そうよ。ここは私に任せるのよ」
 孫策は何としても自分が先陣を務めようというのだ。
 
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