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八条学園騒動記

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第六百六十話 自由な社会の条件その九

「エウロパでは贅沢が伝統で」
「それを守ることがです」
「義務ですね」
「それが階級という秩序ですから」
 法律で定められたそれだからだというのだ。
「それを破ることはです」
「許されないですね」
「プライベートはないです」
 セーラは決してと述べた。
「これは君主ならばです」
「当然のことですね」
「はい」
 まさにというのだ。
「それを破ることはです」
「法律でも階級が定められているので」
「出来ません、かく言う私もです」
 セーラは自分のことも話した。
「やはりです」
「破れないですね」
「絶対に」
 それはと言うのだった。
「不可能です」
「マハラジャの家ならば」
「それに相応しい暮らしを送る」
 これがというのだ。
「決まりです、ですから少なくともマウリアでは」
「お国におられる間は」
「こうした食事もです」
「出来ないですね」
「はい」
 まさにというのだ。
「何があろうとも」
「連合におられる間は出来ても」
「多少は。しかし」 
「マウリアに戻られると」
「インスタント食品も冷凍食品も」
「ジャンクフードもですね」
「食べられないです、誰もが好きなものを食べて着られて」 
 そしてというのだ。
「好きな場所に住めるというのは憧れる時もあります」
「連合のそうしたところに」
「はい。自由に」 
 それにというのだ。
「そうなります。しかしその自由の中で自由がないのが」
「日本の皇室の方々にですね」
「各国の君主家の方々です」
「左様ですね」
「お姫様もです」
 そう呼ばれる立場の女性達もというのだ。
「それは同じで目の前に美味しいものが食べきれないだけあり」
「それでも食べられない」
「そうした状況と同じです」
 まさにというのだ。
「これがどれだけ辛いか」
「自由な中で自分達だけが自由がない」
「その中で暮らしておられるので」
 それ故にというのだ。 
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