| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ヘタリア学園

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第九百三十七話  ベートーベンはどちらの人か ☆

第九百三十七話  ベートーベンはどちらの人か ☆
 オーストリアさんからいきなり爆弾発言を受けてしまったドイツ、当然黙っている筈もなくオーストリアさんに対して速攻で講義します。
「御前はいいとこ取りするな!」
「何がいいとこ取りですか」
「そもそもあの上司押し付けた癖に!」
 今になって言うことでした。あの上司とは言うまでもなく髭のあの人です。下手をしたら世界で最も怖いかも知れない人です。
 オーストリアさんの髪のマリアツェルを引っ張りながら抗議します。オーストリアさんはそれを受けてすぐにドイツに対して反論します。
「マリアツェルを引っ張るのはお止めなさい」
「それは止めてやるがだ」
 ドイツは引っ張るのはそれで止めました。けれど真剣な顔で言い返します。
「ベートーベンはボン生まれだろうが。だから絶対にドイツ人だ」
「いいえ、彼は偉大なるオーストリア人ですよ」
 けれどオーストリアさんはあくまでこう主張するのでした。
「その根拠もあります」
「根拠?あるのか」
「はい。彼はコーヒー豆を六〇粒数えて飲んでいました」
 これが根拠というのです。
「この生真面目さまごうことなくオーストリア人です」
「それが根拠なのか」
「それに長い間私の国で住んでいましたよ」
 そんな話をして言い合っているとです。不意に窓のところからフランスが出て来て二人に対して言うのでした。
「じゃあフランス人でいいじゃねえかよ」
 あえて二人に嫌がらせをして言うのでした。
「フランス人にしちゃいなよ」
 こう言い残して姿を消します。それだけですがそれでもそう言われて何か拍子抜けした二人はそれで言い争いを止めたのでした。毒も時には、なのでした。


第九百三十七話   完


                                         2009・9・19
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧