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理想の彼女

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第二章

「実はね」
「冗談じゃないな」
「その目は本気ね」
「うん、冗談でも嘘じゃないよ」
 目だけでなく口調もそうだった。
「僕この人と結婚するから」
「アニメのキャラとか」
「そうするの」
「ああ、こうしたことってあるんだよ」
 ここで博光が両親に言った、見れば彼は全く驚いていない。
「本当に」
「あるのか」
「そうなの」
「あるよ、アニメのキャラを好きになって」
 そうしてというのだ。
「愛情も持ってだよ」
「こうしてか」
「結婚まで言うの」
「そうだよ、だから驚くことじゃないよ」
 こうも言うのだった。
「別にな」
「そうなのか」
「おかしいことじゃないの」
「ああ、それにアニメキャラと結婚してもな」
 牧夫が自分の言う通りにそうしてもというのだ。
「犯罪じゃないし悪いこともしないだろ」
「それもそうか」
「こっちの世界にはいない人だしね」
「ストーカーもしないな」
「そうしたこともないわね」
「だからいいだろ、俺は現実の女の人が好きだけれど」 
 博光は自分の好みも話した。
「これはこれでいいだろ」
「それもそうか、誰にも迷惑かけてないしな」
「まして犯罪でもないし」
「だったらいいか」
「そうね」
 両親も納得した、そしてだった。
 二人で牧夫に対してわかった、幸せにしてあげてねと告げた。牧夫はわかったと一言で答えた。表情はなかったが嬉しそうだった。
 牧夫はそれから実際にそのキャラクターと結婚しインターネットの自分のツイッターやフェイスブックで発表した、するとこう言われた。
「おめでとう!」
「お幸せに!」 
 多くの祝いの言葉が贈られた、彼は兄にこのことを話した。すると兄もこう言った。
「よかったな、じゃあ俺も幸せになるな」
「うん、奥さん最高だよ」
 結婚した牧夫は兄にこう返した。
「優しくて明るくてルックスは抜群で」
「お前の理想か」
「理想そのものだよ、もう一生ね」
 それこそというのだ。
「離れないよ、理想の人に出会えたから」
「離れないな」
「何があってもね」
 今彼は微笑んでいた、そうしてだった。
 兄が結婚した時は祝った、そのうえで自分は妻と幸せな時間を過ごしていった。理想の相手と共にいる幸せな人生を過ごしていった。


理想の彼女   完


                   2022・5・29 
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