夢幻水滸伝
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二百四十話 退治し迎え入れその九
「有り難いことです」
「ほなでしね」
「大事に頂きましょう」
「三人で食べるでし」
「そうしましょう、そしてこれからもです」
「民の為に励むでしね」
「この世界を救いましょう」
巴は誓う様にして言った。
「そうしましょう」
「是非共」
「はい、それとです」
「それと?」
「どう料理してもらうかですね」
巴はこのことも話した。
「掌も肝も」
「そうした部分もでしね」
「はい」
見れば内臓の全ての部分がある、肝つまり肝臓だけでなく胃腸に心臓等がある。そうしたものも食べるというのだ。
「そうしましょう、煮ても焼いてもです」
「ええでしね」
「そうです」
「ああ、しかし献上したのは冒険者やったな」
呉は献上した者達の話をした。
「そやったな」
「そうでし」
「献上やが」
「それでもでしね」
「礼はせなあかんな」
献上したそれに対してというのだ。
「そうせなあかんな」
「それも上に立つとしなければなりませんね」
巴もその通りだと頷いた。
「そこは」
「そやな」
「では銀か金で、です」
「払うか」
「そうしましょう、多くのそれで」
「ほなな」
「献上されても何も返礼をしないでは」
それではというのだ。
「治める者としての資質を疑われます」
「気前はよおないとな」
「なりません、吝嗇では」
返礼そして褒美を惜しむ者はというのだ。
「それだけで、です」
「資質を疑われるわ」
「そうなるでしね」
まさにとだ、郁も述べた。
「その時は」
「そや、それでや」
まさにとだ、呉も答えた。
「そこはな」
「しっかりとでしね」
「するで、国もそやしな」
「ケチな国はでしね」
「国力が高くても疑われるわ」
その資質をというのだ。
「そやから災害とか起こるとな」
「大国と言われる国は大抵は大規模な支援を行うでし」
「見返りを求めんでな」
「そうするでしね」
「それが大国として為すべきことや」
まさにというのだ。
「そやからそうする」
「そうでしね」
「それでや、献上されるとな」
呉はあらためて述べた。
「返礼はな」
「するでしね」
「そや」
「それが筋ということで」
「銀か金出すで」
「わかったでし」
郁は呉の言葉に頷き巴も無言でそうした、そうしてだった。
三人は熊の掌や肝を献上した冒険者達に多くの返礼を行った、そのうえで三人で熊料理を楽しむことにした。
ページ上へ戻る