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オズのホボ王子

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第六幕その七

 そのヤマアラシを見てです、ジョージ達五人は言いました。
「確かこのヤマアラシって」
「昔道を通って人に通せんぼみたいにして」
「それで困らせていたね」
「そうしたヤマアラシだったわね」
「そうだったわね」
「その時のことは反省しているよ」 
 ヤマアラシは五人に答えました。
「だから僕も今はそんなことはしないよ」
「そうなんだ」
「それはいいことだね」
「じゃあ今はどいてくれるかな」
「私達が道を通りたいから」
「そうしてくれるかな」
「いいよ、実は急に眠くなってて」
 それでというのです。
「ここで寝ていて今目が覚めたところでね」
「それじゃあどいてくれるんだね」
「そうしてくれるんだね」
「これから」
「それじゃあね」
「どいてくれるかしら」
「うん、ただ僕は前にも君達と会ったかな」
 ヤマアラシはふとこう思いました。
「そうだったかな」
「前に会ったかな」
「言われてみれば」
「そうだったかな」
「結構色々巡っていて」
「色々な人に会ってるし」
 五人はヤマアラシに言われてそういえばとなりました。
「そうかもね」
「だったらお久しぶりになるわね」
「そうだね」
「ヤマアラシさんに会ったことがあるなら」
「それなら」
「こちらこそね、じゃあ僕はこれから湖のところに行くから」
 そうするというのです。
「それでお水を飲むよ」
「そうするんだね」
「じゃあまたね」
「また会おうね」
「そうしましょう」
「次の機会に」
「そうしようね」
 ヤマアラシはこう言ってお別れをしてでした。
 湖の方に歩いていきます、一行は彼とお別れをしてです。
 あたらめて出発するとでした。
 今度はカバキリンに出会いました、カバキリンはその大きな口を開けて一向に対して尋ねてきました。
「君達何処に行くのかな」
「ミュージッカーのところだよ」
 王子が答えました。
「そこに行くんだ」
「あの人のところになんだ」
「そう、今からね」
「あの人なら今はお家にいるよ」 
 カバキリンは王子に答えました。
「だからね」
「お家に行けばだね」
「会えるよ」
 そうだというのです。
「だから行くといいよ」
「それではね」
「あの人はよくあちこちに外出してね」
 カバキリンはミュージッカーのことをお話しました。
「そしてね」
「旅を楽しんでいるね」
「そうなんだ、けれどね」
「今はだね」
「お家にいて」
 そうしてというのです。
「音楽を楽しんでいるよ」
「それではね」
「今から行くといいよ」
「それではね」 
「僕は湖に行くよ」
「君もかい。さっき会ったヤマアラシもだったけれど」
 それでもというのです。 
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