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麗しのヴァンパイア

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第四百五十話

              第四百五十話  大人になることは
 赤音の母は赤音に真剣な顔で話した。
「成長期の話は聞いてるでしょ」
「学校でね」
「そろそろあんた達の年齢になったらくるから」
「第二次成長期が」
「そうなったらね」 
 その時を迎えればというのだ。
「法律は兎も角ね」
「身体はなの」
「大人になったって言えるのよ」
「そうなのよ」
「言うけれど昔は十二歳や十三歳で結婚してたのよ」
「十二歳って小学六年生よ」
「だから昔はね」
 母は真剣な顔で話した。
「そうだったのよ。前田利家さんの奥さんのおまつさんもそうだったのよ」
「十二歳で結婚してたの」
「それですぐに子供が出来たのよ」
「うわ・・・・・・」
 赤音も彼女の傍に控えていた使い魔達も唖然となった、自分と然程違わない年齢で子供が出来ることは流石に想像もしていなかったからだ。
「信じられないわ」
「けれどよ」
「私もそろそろなの」
「赤ちゃん出来たりするのよ」
「そうなのね」
「だからね」 
 それでというのだ。
「こうしたこともね」
「覚えておくことね」
「そうよ、赤ちゃん出来るなら」
 それならというのだ。
「もう大人でしょ」
「そうよね」
「だからお母さんも言うのよ」
「私もそろそろ大人なのね」
「流石に今十二歳で子供出来ることはないけれど」
「出来ることは出来るのね」
「だからね」
 このことは事実だからだというのだ。
「自覚しておいてね」
「わかったわ、私も大人になるのね」
「だからお洒落も本格的にして」
 そうしてというのだ。
「大人になる自覚もよ」
「子供が出来るって」
「そのことは一番覚えておきなさい」
「お洒落よりも」
「そう、けれど美容院にはね」
 行って来る様に言うのだった、そうした話をしてそうして赤音は美容院に行くのであった。


第四百五十話   完


               2022・2・27 
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