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人に助けを求めた猫

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第三章

「いつもみたいにご飯をあげたら急に駆けだして時々振り向いてきたの」
「ついてきて、ね」
「そんな感じでね」
 まさにというのだ。
「それでついて行ったらそこは茂みで」
「そこにその子達がいたのね」
 キャサリンは五匹の子猫達を見て話した。
「そうなのね」
「ウニャン」
「ニャンニャン」
「ミャウン」
「ウニャ~~ン」
「ウナア」
 五匹は母猫ミニーに身体を寄せている、そして母猫も優しく接している。アネリダはその彼等を見つつ話した。
「三毛猫はどっちも雌でリリーとナナといってね」
「名前も決めたのね」
「茶色と白の子は雄でブラウンでね」
 子猫達の名前も話していった。
「白黒の子達は雄と雌でロンとサーシャっていうの」
「そうなのね」
「茂みの中に案内されたら」
 そうしたらというのだ。
「産まれたばかりのこの子達がいて」
「保護したのね」
「それでボランティアの人達に連絡して」
 そうしてというのだ。
「まずお医者さんに診てもらったの」
「最初はそうしたのね」
「ええ、六匹共栄養失調で弱っていたけれど」
 それでもというのだ。
「ちゃんとしてもらったわ」
「それは何よりね」
「ミニーの足は昔の骨折がそのままおかしな形でくっついて戻りにくいらしいけれど」
「他のことはなのね」
「大丈夫よ、それでこの子達が落ち着いたら」
「貴女のお父さんが家族にしてくれるのね」
「六匹共ね」
 笑顔で話した。
「そうなるの」
「それは何よりね」
「ええ、それでファーザーの家族になっても」
「ワンワン」
「ニャア」
 見れば五匹の子達はウォルターとサンディのところに行ってだった。
 ごろごろと喉を鳴らして甘えだした、母猫はそんな子供達を暖かく見守っている。アネリダはその彼等を見つつキャサリンに話した。
「時々うちに来てもらってね」
「こうしてなのね」
「ウォルターとサンディとも会わせるわ」
「仲がいいのね」
「そうなったからね、けれど猫も助けを求めてくるのね」
「そうね、そしてその時はね」
「応えてあげないとね」
 キャサリンにこうも話した、そしてだった。
 二人でその猫達を見た、助けを求めた母猫は今は子供達と幸せな時間を過ごしていた。


人に助けを求めた猫   完


                  2022・4・27 
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