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動かないので太った

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第二章

「お医者さん止めても毎日食べてたら」
「そこまで太ったの」
「そうなの」
「ええ、そうなの」
 高校までのメリハリの利いたボディではなくビヤ樽の様な身体と顔で語った、ボールに見える位に丸々としている。
「それでずっとベッドにいるから動かないでしょ」
「それで余計になのね」
「太ったのね」
「そうなのね」
「しかも身体動かさないと寝られないのよ私」
 碧はこのことも話した。
「ストレスも溜まるし」
「それで目に隈あるの」
「それはどうしてかって思ったら」
「そうなの、あと少しで完治するから」
 それでと言うのだった。
「そうなったら水泳再開してねトレーニングもそうして」
「身体動かして」
「それで身体絞るのね」
「あとよく寝られる様になるのね」
「そうなるわ、正直参ってるわ」 
 実際に困った顔で話した。
「怪我がこんなに嫌とは思わなかったわ」
「ううん、大変ね」
「太ることも寝られないことも」
「ええ、最悪よ」
 碧はその隈のある顔で言った、そして怪我が完治すると。
 すぐにリハビリからトレーニングそうして水泳自体も再会し。
 瞬く間に元の体型に戻った、それで実家に帰った時に友人達に話した。
「交通事故でも怪我はもう嫌よ」
「そうよね」
「ああなるからね」
「そう思うとね」
「怪我はもう懲り懲りね」
「全くよ」
 こう言うのだった、そしてよく食べても太らずよく寝られる今の状況に感謝するのだった。メリハリのあるボディに戻った今は。
 だが大学を卒業して就職して結婚して子供が出来て身体を動かす機会が減ると。
「また太ったの」
「食べる量は減らなくて」
「そう、これは気をつけないとね」
 三十を過ぎてあの時の様な体型になって鹿児島で友人達に話した、そうして今度は意識して運動の時間をもうけてだった。
 痩せる様にした、そうしてまたしてもメリハリの利いたボディを取り戻したのだった。


動かないので太った   完


                  2022・4・23 
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