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夢の国から

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第一章

                夢の国から
 石田美穂はハウステンボスで働いている、しかも住み込みでそうしていて毎日そこで汗を流している。
 そして休日もだった。
「お姉ちゃんまたよ」
「休日もあそこね」
「うん、さっきスマホで画像送ってきたけれど」
 妹の忍は母の由美子に話した、美穂は茶色の短めの髪はあちこちはねていて面長で明るい目鼻立ちで一五八程の背でスタイルがよく父親似の顔だと言われるが忍は一七三程の背で姉と同じ面長の顔でも穏やかな目鼻立ちで黒髪をストレートにしていてすらりとしていて母親似である。
「今回の休日もね」
「あそこで遊んでなのね」
「ハウステンボスでね」
「そうするのね」
「そう言ってるわ」
「全く。好きにも程があるでしょ」
 由美子はここまで聞いてどうかという顔で言った。
「幾ら何でも」
「お姉ちゃんハウステンボス好きよね」
「好きも好きでね」
 大学生の妹にこうも言った。
「住み込みで働いてよ」
「休日もいつも過ごしてるから」
「何処まで好きかってね」
「そうよね」
「まあ佐賀はね」
 母は自分達の家のことも話した。
「ネタにされる位何もないけれど」
「アニメで?」
「あるにはあってもね」 
「長崎程じゃないっていうのね」
「ハウステンボスのあるね」
「そうなのね」
「けれどあの娘は好き過ぎよ」
 こう言うのだった。
「ハウステンボスがね」
「就職してからうちに帰ってないしね」
「お盆もお正月もあっちだから」
 由美子は溜息を込めて言った。
「好きなのはいいし連絡送るのもいいけれど」
「それでもなのね」
「たまには帰ってきなさい」
 この実家にというのだ。
「佐賀にね」
「お母さんはそう思うのね」
「ええ、本当にね」 
 由美子は母としてこう思っていた、そんな中で美穂は長期休暇を貰ったがこの時の連絡はというと。
「美穂はまたかな?」
「ハウステンボスだっていうのね」
「長期休暇の時も、本当にたまには」
 妻と同じことを眉を顰めさせて話した。
「実家にだよ」
「帰ればいいのに」
「いや、何かおかしいのよ」
 由美子は夫の慎之介に話した、背は忍より高くその顔は美穂を男にした様の顔立ちをしている彼に。 
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