ライブジャスティスシリーズ
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五河カメンライズ/全てを取り戻す為に再び戦場へ
科特隊本部 司令室。
エド「以上で本作戦に置ける五河士道君を従軍、並びにラタトスクの正式な登録ヒーローとして承認する、聞きたい事はあるかな?」
ペンを回し、何やら悟るようにトゥアールが声を上げた。
トゥアール「どうも気になるのよね~、士道君がガイアメモリと新型ドライバーを手に帰って来たのが、戦う力とは言えそのシステムはガイアドライバーと同じでしょ?澪さんによって生み出された物なら尚更調べてみたいわね」
弦十郎「まあ、理由はどうあれ彼、士道君は精霊の力を失っている。それならあの力を彼に預けても良いだろう?」
エドはコーヒーを口にするとメンバーを咎める。
エド「確かに気になる技術だが余り深読みはしないでおこう、いずれにせよ彼に全てを託すべきだ」
アニエス「私も賛成、彼のような新たな可能性に賭けるべきだわ」
ウッドマン「その通りだ、十香君を救える力を持つ者がいるならそれは士道君しかいない、彼を信じよう」
互いに信じる方向性へと舵を切った司令官たちにエドは納得し、手を上げた。
エド「それでは、今日の会議はここまでだ、弦十郎君以外は下がっていい。
退出していく面々の中で弦十郎は聞く。
弦十郎「何故俺を引き留めた」
エドはタブレットを手に話を始める。
エド「弦十郎君、君に一つ、頼みたい事がある」
弦十郎「と、言うと?」
エド「風鳴訃堂司令と話がしたい」
弦十郎「親父と……」
風鳴家
カコッ!!
訃堂「……」
エド「この度は会談を引き受けて頂き感謝します、訃堂司令」
訃堂はゆっくり目を開いて静かに言葉を返す。
訃堂「異星人風情が、何をしに来た」
エド「ある一人の科学者について、お話があった次第で」
訃堂「死人の話など聞こうとも思わぬ」
エド「そうでしょうね、ですが彼が、生きている可能性があるのですよ」
エドはそう言うとタブレットを取り出し、映像を見せる。
そこには風鳴家の前で謎の行動をする見覚えのある人物が映っていた。
訃堂「馬鹿馬鹿しい戯言を、信じろとでも言うのか」
エドはその他にも複数の目撃映像を出し、証拠を突き付ける。
エド「我々は虚言をあなたに言うつもりは無い、この男の存在が何なのか、何故風鳴家に……」
訃報「もういい、信用に値せぬ話に付き合うつもりは無い。早々に立ち去れ」
エドは理解したのか席を立つと頭を下げる。
エド「どうやらこちらも話が過ぎた様ですね、失礼。ですが、何かあれば私共に話してください。では」
エドはそう伝えると風鳴家を後にする。
訃堂「好かぬ男よ……」
AM5:00
日の上がらない夜明け前、目を覚ました士道はその手にサンダルフォンのメモリを手に思い詰めていた。
士道(十香……)
コンコン
士道「誰だ?」
扉を開けるとそこに居たのは……
琴里「私よ、ごめん、こんな早くに……」
士道は琴里の胸中を察する。
士道「入るか?」
琴里はこくりと頷くと士道の自室に入る。
二人でベッドに座ると士道は尋ねた。
士道「やっぱり、不安だよな……俺が戦いに行くの」
琴里「当たり前よ、十香を助けられるのは士道しかいない、でも、心の中で……士道が戦いに行くのを拒んでる……苦しいぐらいに……ね……」
士道は琴里の肩を自分にを寄せると本音を口にした。
士道「俺も、怖いさ……でも、これは俺の決めた事だ。今の俺が失っている物を全て取り戻す為に、また、皆に怖い想いをさせるかもしれないけど、自分で決めた事からは逃げたくない」
琴里「それで、もし死んじゃったら……」
士道「俺は死なない」
士道は琴里に優しい顔で言った。
士道「俺には居場所がある、その居場所が無くならない限り、俺は死んだりしない。第一、最愛の妹が何で俺を疑うんだ?俺は約束は必ず守る。だからそんな悲しそうな顔をしなくていい」
すると琴里は士道の胸に寄り掛かる。
琴里「お兄ちゃん……」
士道を強く抱く琴里に士道も琴里を抱きしめた。
士道「十香を連れて、必ず生きて帰って来る、それまで信じて待っていてくれ。皆の事、頼むぞ」
そして……
ラタトスク本部 エントランス
士道「……」
エントランスで十香奪還チームと合流した士道、マリアは士道の眼差しを見る。
マリア「覚悟は決まったようだな」
士道「今の俺には、信じてくれる仲間がいる。だから戦うんだ、俺の全てを取り戻す為に」
スカイハイ「仲間か、良い物だな……」
レオ「少しは度胸があるようだな」
アストラ「ああ、期待できそうだ」
すると後ろから……
琴里「お兄ちゃん!!」
後ろから服を持って琴里が駆け寄った。
士道「それは……」
琴里「必要ないと思ったけど、これだけは取っておいたの。お兄ちゃんのフェザー。CR-ユニットはもうこれしか残って無いけど、一緒に持って行ってほしい!!」
士道「それなら」
バサァ!!
士道はフェザーを身に纏うと宣言した。
士道「さあ、俺達の戦争を始めようか?」
マリア「ああ、行くぞ!!」
転送装置を起動し、士道たちは風都へと向かった。
ガタッ!!
十香「はあはあ……」
とある廃港で一人佇む十香、その手には黒いガイアメモリ、ナヘマーメモリが握られ、謎の拘束具の様なガイアドライバーを装着していた。
十香は身体を蝕まれるような痛みを堪え、呟いた。
十香「シドー……
助けて……」
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