夢幻水滸伝
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二百三十六話 洛陽に出てその七
「山西省出身の」
「その通りでし」
「私は巴青雲といいます」
巴もここで名乗った。
「起きた世界では二年生です」
「お互い起きた世界で何度もお会いしているでしね」
「中国人同士の集まりで」
「そして寮でも」
「左様ですね」
「しかしこちらの世界では」
今度はこちらの話をした。
「お互い種族が違い」
「わからないでしね」
「誰が誰か」
「そうでしね」
「しかしお互い名を聞けば」
そうすればというのだ。
「わかりますね」
「そうでしね」
「いいことです、それなのですが」
巴はさらに言った。
「ここにどうして来られたか」
「はい、それはです」
郁は素直に述べた。
「この街に行くといいと占い師の人に言われて」
「それで、ですか」
「ここに来たでし」
「そうなのですね、私は情報を聞いて」
「それで、でしか」
「ここまで来ました、途中軍師の仕事もして旅賃も手に入れています」
巴はこのことも話した。
「そしてここに星の方がいると聞いて」
「それでここまで来て」
「貴方にお会いしました、では」
「これからはですね」
「共に働きましょう」
「この世界を救う為に」
「そしてです」
巴は郁と誓ってからさらに話した。
「もう一人ですね」
「おられるでしね」
「冒険者ギルドに」
「僕ちんはそう聞いているでし」
「ではです」
「これよりでしね」
「そちらに二人で行きましょう」
こう郁に話した。
「そうしましょう」
「そしてでしね」
「三人で、です」
「はじめるでしね」
「そうしましょう、一人より二人で」
そしてというのだ。
「二人よりもです」
「三人でしね」
「そうです、三人でことを進めれば」
巴は郁に顔を向けて微笑んで話した。
「かなり楽です」
「最初からでしね」
「ですから」
それ故にというのだ。
「ここはです」
「もうお一人とお会いして」
「そして三人でといきましょう」
こう言ってだった。
巴は郁と共に新郷の冒険者ギルドに向かった、そしてそこの酒場に入ると二十人近くの冒険者が仕事の合間にくつろいでいた。酒場だが昼なので酒はなく茶である。
その居酒屋の卓の一つで茶を飲み点心の桃饅頭やごま団子を食べている龍人の武将の服を着ている男のところにだ。
ページ上へ戻る