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東方絆日録 ~ Bonds of Permanent.

作者:福岡市民
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共存編
  敏久:おおたさんといっしょ

 
前書き
「敏久:〇〇との出会い」からの続きとなります。 

 
ZUN(ずん)と敏久が人里を出て魔法の森の入口まで来たとき、空中を浮遊する漆黒の塊ーーー人喰い妖怪のルーミアに出会った。


ルーミア「目の前が捕って食べれる人類?」

ZUN「いいえ、食べれません」

ルーミア「じゃあ性的に喰べーーー」

敏久「コラコラコラコラ~ッ!(`o´)」


まさかあのルーミアがそんなことを言うとは…。ロリ体型とは裏腹に実は意外と年増なのかもしれ(ピチューン♪)
・・・いや、ただ単にませているだけなのだろう。もしくは「そういうお年頃」か。

相手を確認するためルーミアが闇を消した。


ルーミア「なんだ、敏久だったのね。それとZUNさんまで」

ZUN「まったく、何を言うのかと思えば…」

ルーミア「あはは、冗談だって」


もちろんZUNにはルーミアが冗談で言っていることが分かっていた。


ルーミア「ところで何してるの?」

敏久「散歩といったところかな。ルーミアも来るか?」

ルーミア「うん、行くー♪」



ーー
ーーー


現在、三人は「太陽の畑」と呼ばれる向日葵(ヒマワリ)畑が広く見渡せる場所に来ていた。


ZUN「いま見ているのが“太陽の畑”。十万本の向日葵が一年中咲いていてね、僕が一番気に入っている場所なんだよ」

敏久「おお…」

ルーミア「わあ、綺麗!」


太陽の畑を小高い丘の上から見ているのだが、そこだけ黄色と緑の絨毯が敷かれたようでまさに絶景である。
この情景に敏久は「タイヨウノハナ」という東方アレンジの歌詞を連想した。


ZUN「ほら、あそこに家が見えるだろう?」


ZUNが指さす先に赤い屋根の家がぽつんと一軒建っているのが見えた。


ZUN「あれが畑の持ち主の家だよ。ちょっと挨拶しに行こうか」



ーー
ーーー


ピンポーン♪
玄関のインターホンを押す。しばらくしてドアが開いた。


?「あら、ZUNじゃない⁉︎」

ZUN「こんにちは、幽香」


風見(かざみ)幽香(ゆうか)ーーーまたの名を「幻想郷のフラワーマスター」ーーーはZUNの突然の訪問に少し驚いたようだった。


幽香「まあいいわ、せっかく来てくれたんだもの。ひとまず上がりなさいな」


ーーーー


幽香「どうしたのよ、いきなり訪ねてきたりなんかして」

ZUN「ん?出かけたついでに挨拶でもと思ってね」

幽香「ふうん…。ああそうだ、ZUNは何飲む?日本酒?焼酎?ビール?」

ZUN「もちろん冷えたビールと相場が決まってるじゃないか!」

幽香「はいはい。そこの二人は?」

敏久「ココアをお願いしようか」

ルーミア「牛乳をお願いします」

幽香「分かったわ、用意するから待っててちょうだい」


ーーーー


幽香「はい、待たせて悪かったわね」


しばらく経ったのち、幽香はそう言って3人に注文の品を出した。


ZUN「やあ、いつも悪いねえ」

敏久&ルーミア「ありがとう(ございます)!」


ZUNはジョッキのビールを一気飲みした。そうとう喉が渇いていたのだろう。
それとは対照的に敏久とルーミアはチビチビ味わうように飲み物を飲んでいる。


幽香「フフッ…。あなたたちって面白いわね」


『あなたたち』とは敏久とルーミアを指す。


敏久「何でだ?」

幽香「ZUNは飲み物を一気に飲み干したのに、貴方たちはまるで遠慮しているかのように飲んでいるからよ」

ルーミア「そーなのかー」

ZUN「ところで幽香、ここでの生活は楽しいかい?」

幽香「もちろん。たくさんのお花さんに囲まれて…毎日とても幸せよ」


幽香は向日葵の妖怪である。
もともと人見知りなのと『花さえあれば何もいらない』という考えも相まってあまり他の人妖との交流を好まなかった彼女だが「60年周期の大結界異変(=“花映塚”で起きた異変)」を境に段々と心を開き始め、今では誰とでも気軽に話すまでになった。

ZUNは瞬く間に変貌を遂げた幽香を嬉しく思っていた。


幽香「もし時間があるんだったら私の花畑を見て行くといいわ。お花さんも喜ぶと思うわよ?」

ZUN「うん、そうしよう」



ーー
ーーー


休憩後、3人は幽香の案内で再び太陽の畑へ来た。
彼らが来ると風もないのに向日葵が一斉にざわめき、ゆらゆら揺れ始めた。


幽香「ああ…やっぱりそうだわ。お花さんがものすごく嬉しがってる」

敏久「花にも喜怒哀楽があるのか?」

幽香「当たり前でしょう?動物に感情があるように植物にだって感情があるわ。それを表現する(すべ)がないだけよ」

ZUN「ほう、それは知らなかった。すまないねえ」

幽香「いいのよ、別に…」




ーーー4人は風に揺れる向日葵の美しさにいつまでも見とれていた。 
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