恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第百十九話 曹操、乳を飲むのことその九
「それをどう変えてくるか」
「逆にすればそのまま」
「風は私達に向かう」
そしてだった。そこでさらに。
「風に火を乗せれば」
「私達の陣が火に襲われますね」
「船を離しておいてよかったわ」
ミナはその船達も見て述べる。
「若しつないだままだったら」
「あっという間ですね」
「焼かれてそうして」
その炎がさらに燃え移ってだった。
「陣全体が大変なことになるから」
「それに気付いてよかったですね」
「多分。こちらから攻めずに」
「迎え撃つ形になりますね」
それがこの赤壁での戦いだというのだ。
「それをどうするか」
「勝つには」
こう話しながらだ。ミナはまだ水辺を見ていた。そして魚達を。
そうしてだ。命に言った。
「迎え撃つのなら」
「何か御考えが」
「敵の出方をよく考えて」
そうしてだというのだ。
「読むことが大事だから」
「火と風とくれば」
「オロチ」
彼等だというのだ。
「彼等が来るから」
「そうですね。炎と風なら」
「オロチを軸として今回は来るから」
「それとどう戦うかですね」
こう言ったところでだ。命は気付いたのだった。
「草薙君達ですか」
「多分」
ミナもだ。彼等だというのだ。
「風が一番怖いから」
「では今回はとりわけ」
「ちずる」
彼女が鍵になるというのだ。
「あの娘がどうしてくれるか」
「それならすぐに神楽さんにもお話しましょう」
「そう。そうして」
そのうえでだというのだ。
「敵が来ても勝てる様にしよう」
「はい、必ず」
二人で話してからだった。神楽のところに向かいだ。話すとだ。
神楽は何処か澄み切った顔になってだ。二人に答えた。
「はい、ゲーニッツはです」
「貴女がですね」
「引き受けるというのね」
「いえ、ゲーニッツはオロチ最強の者です」
オロチの八傑の中でもとりわけだというのだ。
「そう簡単には勝てはしません。封じることも」
「じゃあどうすれば」
「おそらく。この戦いでは無理です」
ゲーニッツを封じる、そのことはだというのだ。
「ゲーニッツの、オロチの星はまだ強く輝いています」
「星が」
「はい、昨夜星を観たのですが」
そこにその者の命が映し出されているというのだ。神楽はそれを見ていたのだ。
「彼等の星はどれもです」
「落ちてはいない」
「そうなのですか」
「はい、一つも落ちていません」
こうミナと命に話すのだった。
「ですから。戦いもです」
「この赤壁では終わりでないのね」
「おそらく赤壁の後で」
この戦いの後でだ。さらにだというのだ。
「本当の意味での決戦が行われるでしょう」
「ではそこが何処かね」
ミナは神楽の話を聞いてだ。最後の決戦の場について考えた。
そうしてだ。こう言うのだった。
「それならそこは」
「はい、そこが何処になるかは私もまだわかりません」
神楽もだ。それはだというのだ。
「ですがそれでもです」
「この戦いでは決着はつかない」
「そのことはですね」
「感じられました」
「それではね」
話を聞いてだ。ミナはすぐに言った。
「この戦いは勝ち。生き残ることを」
「優先させるべきです」
こう言ってだった。彼女達は次の戦いのことも考えだしたのだ。赤壁で終わらずだ。さらにまた戦いがあることは星達が知らせていた。
第百十九話 完
2011・10・18
ページ上へ戻る