夢幻水滸伝
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第二百三十五話 邯鄲からその一
第二百三十五話 邯鄲から
羅は百万の軍勢を河南省との境に近い邯鄲に集結させた、その集結の速さに彼は本陣の中で言った。
「やっぱり鉄道は凄いな」
「あれだけの軍勢が一気に集まったな」
「ああ、百万の軍勢がな」
共にいる魯に話した。
「ほんまにな」
「そうなったな、それを考えたらな」
「線路を敷いて列車を用意してよかったな」
「ああ、そっちにも力入れてよかった」
実際にというのだ。
「お陰ですぐにや」
「これから攻められるで」
「邯鄲を拠点として」
そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「河南省に攻め入るな」
「そうする、騎兵隊も集めたしな」
「砲兵隊もな」
「思いきり攻められるで」
「まさにな、しかしな」
それでもとだ、魯は羅に話した。
「おいら達が軍を集結させる間にや」
「三省軍もそうしてきたな」
「連中も鉄道を持ってる」
それ故にというのだ。
「それを使ってや」
「軍勢をこっちに集めてきたな」
「今新郷におる」
「敵も百万集めてきたな」
「そして洛陽にもや」
この街にもというのだ。
「備えの兵を置いてな」
「曹達に備えてるな」
「そや、そして山東省の方にも兵を置いた」
この省にもというのだ。
「河北省との境にな」
「そうして備えてるな」
「おそらく敵はまずはこっちに来る」
自分達にとだ、魯は羅に話した。
「そしてや」
「我等の軍勢を叩いてやな」
「そこから即座に移動の術で洛陽に行く」
「そうして曹達を倒すな」
「そう考えてるで」
「そやろな」
羅は魯が語る三省軍の戦略についてその通りだと頷いて応えた。
「敵の星のモンの数を考えるとな」
「三人や、対するこっちは八人や」
「その数の劣勢を補おうと思ったら」
星の者達のそれをというのだ。
「やっぱりな」
「そうするしかないな」
「そやからな」
それ故にというのだ。
「連中はそうしてくる、かなり辛い戦い方やが」
「そうするしかないな」
「敵はな、まずは我等に来る」
「新郷から安陽に来るな」
「明日にでもな」
「こちらは兵は集結させましたが」
残が言ってきた。
「そうしたばかりでまだ物資はです」
「充分に集まってへん」
「はい、そうですさかい」
「まだ軍を出させられん」
「おそらく敵が安陽に入るまで」
それまではというのだ。
「こちらは動けません」
「そやろな」
「敵もさるものですね」
残は顔をやや曇らせて話した。
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