恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百十八話 程昱、猫を愛でるのことその二
「それだよ」
「ううむ、恐ろしい話ですね」
楽進も流石に唖然となる。
「この方々は生きるそれなのですか」
「ああ、まさに生きる戦略兵器だ」
そこまでだというのだ。
「人間核弾頭とかよく言われたけれどな、俺の世界じゃ」
「実際にそうだって奴はいなかったぜ」
凱も唖然となっている。
「ったくよ。リアルで化け物だな」
「本当に人間なのかよ」
「人間離れした美貌よ」
「凄いでしょ」
あくまでこう言う二人だった。
「どう?今だってたっぷりお化粧してるから」
「悩殺されるでしょ」
二人で身体をくねらしウィンクさえする。その攻撃を受けて卒倒しそうになりながらだ。ハーマンがこうその二人に尋ねたのだった。
「とにかくだ。敵はかなりの損害を受けたんだな」
「ええ、そうよ」
「陣は半壊、敵兵は二割ね」
「完璧にやっつけたから」
「一曲歌ってね」
「わかった」
ハーマンは二人の話を聞いて頷いた。
そしてそのうえでだ。同志達にこう話した。
「なら敵は暫くは動けないな」
「そうだな。そこまでやられればな」
関羽もハーマンのその話にうなずく。
「当分は戦力の立て直しに忙しい」
「なら今のうちにこちらも備えよう」
これがハーマンの提案だった。
「船の配置は布陣をな」
「実はその船なんだけれど」
孫尚香がその船の話をする。
「今のところ繋いでいるのよ」
「それで陣にしているのよ」
孫策もこのことを話す。
「河北や河南出身の兵も多いから船酔いするからね」
「けれど。その人達も慣れたみたいだから」
「船を離していくわね」
「それがいいですね」
徐庶は孫姉妹のその提案に賛成の言葉を述べた。
「さもないと火計を仕掛けられた時に船があっという間に全部燃えてしまいます」
「只でさえ連中には火を使う奴がいるんだ」
草薙がこのことを指摘する。
「そいつにやられたらことだからな」
「ああ、あの小さいのね」
董白はそれが誰かすぐにわかった。
「クリスとか言ったわね」
「あいつはオロチ一族の中で火を司るんだ」
「青い炎を使ってたわね、確か」
「あの火は特別なんだよ。オロチの火だからな」
「だからこそなのね」
「火計を仕掛けられたらまずい」
草薙は真顔でこう話していく。
「船は離しておいた方がいいな」
「わかったわ。じゃあ離しておくわね」
孫策は草薙のその言葉も受け入れて述べた。
「危ないから」
「今の季節は空気が乾燥しています」
徐庶は空気のことも話した。この場の。
「ですから火計を仕掛けられたらそれこそ」
「ひとたまりもないわね」
孫権も眉を顰めさせて言う。
「特に風が起こったら」
「風はね。今の時期北西から南東に吹くけれどね」
孫策は風についてはこう話した。
「だからこっちから敵に流れていくけれど」
「それでも用心は必要かと」
「ええ、わかってるわ」
孫策は真剣な面持ちで次妹の話に頷く。こうしてだった。
陣、とりわけ船団が再び整えられだ。火計に用心したものにされていく。その中でだ。
程昱は周泰と共に陣中を見回りながらだ。こんなことを話していた。
「この子はですね」
「その頭のですね」
「はい、私の友達なんです」
あくまでこう主張するのだった。
「凛ちゃんと同じく私と共にいてくれる」
「そうした方なんですか」
「そうなんです」
こう言ってだ。己の頭上のその人形を見上げる。
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