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雪の中から救われた猫達

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第二章

 その話をイリノイ州のあるレスキュー団体で勤めている獣看護士であるドナルド=コンプ逞しい身体とブルーグレーの目と薄茶色の短い髪の毛を持つ長身の彼は話してくれた同僚に仕事の合間の中で言った。
「いや、よかったな」
「四匹共助かってな」
「全くだ、その話を聞いてな」 
 ここでだ、コンプは。
 自分達の傍にいる一匹の縞模様が入ったすらりとした身体の雄猫を見て言った。
「こいつを思い出したよ」
「ウィンターをか」
「ああ、こいつもな」
「ニャ~~~」
 自分の膝に乗ってきた猫の頭を優しく撫でながら話した、ウィンターと呼ばれた猫は撫でられ嬉しそうに喉を鳴らしている。
「最初はな」
「大雪の中にいたな」
「俺が通勤途中にな」
 コンプは同僚にウィンターを見つつ険しい顔になって話した。
「雪が積もった中にキャリーケースを見付けてな」
「それで気になって調べたらな」
「中も雪だらけでその中に何かがあって」
「雪をどけたらウィンターがいたんだな」
「ああ、誰が捨てたか知らないが」 
 コンプは苦い顔のまま述べた。
「酷いことをする奴がいるものだ」
「大雪の中で捨てるなんてな」
「捨てるだけでも悪いっていうのに」
 それがというのだ。
「大雪の中なんてな」
「全くだな」
 同僚も険しい顔になって頷いた。
「若しお前がキャリーケースに気付いて調べなかったら」
「ウィンターは死んでいたよ」
「そうだな」
「まだ一歳の雄でな」
 獣医に診てもらうとそう言われた。
「雪で全身濡れていて冷え切っていてな」
「ここに連れて来て一生懸命手当して温めて」
「奇跡的に助かったが」
「オハイオでもイリノイでも酷いことをする」
「そんな悪い奴がいるな」
「全くだ、しかし四匹の子猫は助かって」 
「ウィンターもだ」
 コンプも応えた。
「助かった、そしてな」
「今からな」
「ああ、いい人が家族に迎えてくれるんだ」
「その人がここに来るな」
「そうなるからな」
 だからだというのだ。
「楽しみだな、ウィンターお前これから幸せになるからな」
「ニャア」
 ウィンターは鳴いて応えた、そして心ある人に家族に迎えられてだった。
 幸せに過ごした、コンプも同僚もメールに送付されている動画に映る彼の幸せな姿に笑顔になった。


雪の中から救われた猫達   完


                  2022・3・30 
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