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八条学園騒動記

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第六百五十三話 皇帝と王の違いその十五

「果たして」
「違うな」
「決してそうじゃない」 
 声には確かな色があった、知的なそれが。
「そもそも無理だしな」
「韓国の地力ではな」
「韓国は日本の五分か六分の一の国力だ」
「人口も総生産もだ」
「それが限度だ、人口と持っている星系が違い過ぎる」 
 この差が大きいというのだ。
「それならだ」
「今が一杯一杯だな」
「それ以上は無理だ」
 国力を高めることはというのだ。
「経済成長は続くが」
「それは日本も同じだ」
「それではだ」
 そうした条件ならというのだ。
「どうしてもだ」
「追い付けないな」
「冷静に見るとな」 
 そうすればというのだ。
「無理だ、だが」
「それでもだからな」
「韓国は諦めないな」
「我が国はそう言われてもどんな強引な屁理屈を出しても言う」
「屁理屈だな」
「兎に角日本を追い越したくてだ」
 そう考えていてというのだ。
「追い越せるとな」
「思っているな」
「千年の間思っていたからな」
 それだけの歳月があったというのだ、それがどれだけ長い歳月であるかはもうここにいる三人も言うまでもなくわかっている。
「尚更だ」
「日本に勝てないとはか」
「思わなくてな」
 そうしてというのだ。
「離れることはない」
「忘れないな」
「残念なことにな」
 洪童は苦い顔で述べた。
「本当に」
「そうか、しかしお前の言う通りだ」
 タムタムは冷静に答えた。
「韓国は日本から離れてこそな」
「いいな」
「その時こそだ」
 まさにというのだ。
「韓国がはじまると言っていい」
「妄執から解放されてだな」
「そうしてこそだ」
「韓国ははじまるな」
「本来の意味でな、韓国は大きくもなれる」
 日本から離れた日はというのだ。
「そうなるからな」
「俺の言うことは正しいな」
「得意分野を見付けてだ」
「そこで成長していくべきだ」 
 まさにという口調の言葉だった。
「絶対にな」
「本当にそうだな」
 こうした話をしていきつつだった。
 三人でマッコリを飲んでいった、そうしている間に酒はどんどん回ってきて打ち上げの時間を過ごしていた。


皇帝と王の違い   完


                2022・1・24 
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