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学校でも教えられて

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第一章

                学校でも教えられて
 百田家の夫婦の家の近所にある小学校のあるクラスでは今道徳の授業が行われていた、そこで若い女性の先生が保健所そして捨て犬や捨て猫の問題について話していた。
 その話を聞いてある男子児童が先生に尋ねた。
「先生、犬や猫も命があるんですね」
「はい、先生が今お話した通りです」 
 先生はその児童に答えた。
「その通りです」
「僕達人間と同じなんですね」
「だからどんな生きものも大事にしないといけないです」
 先生はこうも話した。
「同じ命ですから」
「だからペットを捨てたらいけないんですね」
「同じ命ですから」
 人間と同じくというのだ。
「それに心もありますから」
「だからですか」
「余計にです」 
 命があるだけでなくというのだ。
「大切にしないといけないんですよ」
「犬や猫にも僕達と同じ命や心があるんですね」
「皆さんも捨てられたら悲しいですね」
「はい」
 その児童は正直に答えた。
「物凄く」
「自分が悲しいと思うならです」
「相手にもしたら駄目ですね」
「そして捨てられたペットは優しい人に保護されたらいいですが」
「そうじゃないとですね」
「保健所で殺処分されます」
 このことも言うのだった。
「そうなります」
「じゃあ僕の家の近所の百田さんはそんなことをしたんですね」
 児童はこうも言った。
「飼っていた犬を五月蠅いとか言って捨てて赤ちゃんもほったらかしにしたんで」
「そうですよ、そうした人達こそです」
「犬や猫に命や心があるってですね」
「わかっていなくてわかろうともしなかったのです」
 先生ははっきりとした声で話した。
「そうだったんですよ」
「そうなんですね」
「それは絶対に許されないことです」
 先生はこうも言った。
「可愛がっていたペットを平気で死んでしまえと保健所に捨てるなんてことは」
「やったらいけないですね」
「それは人として最低の行いです」
「あの人達はそうしたことをしたんですね」
「そうです、皆さんはそんなことをしたらいけませんよ」
「わかりました」
 その児童だけでなく他の児童達も素直に頷いた、そうしてだった。 
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