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夢幻水滸伝

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第二百三十三話 次の動きへその十二

「立派なもんやな」
「これは驚きました」
 陳が唸って言ってきた。
「まことに」
「そやな」
「はい、民を戦に巻き込まず」
「攻城戦にな」
「そのうえで雨露を凌げる様にテントまで渡すとか」
「民のことを真剣に考えてるな」
「僕達も手本にせなあきませんね」
 羅にこうも言った。
「ほんまに」
「そやな、これは」
「それで民達には」
「そのままそこで暮らさせる、食いものが足りん様なら」
 羅はその場合も話した。
「その時はな」
「彼等に兵糧を分け与えますね」
「そうする、兵糧はよおさんある」
「しかも補給路は万全です」 
 屈がこのことを言ってきた。
「ここまで鉄道もありますし」
「今の後方基地の石家荘からどんどん送れるしな」
「分け与えてもええですね」
「そや、しかしな」
 羅はこうも言った。
「そうなるまでにな」
「戦は終えられますね」
「こちらの攻撃準備は順調や」
 見れば多くの砲が既に城に向けて整然と並べられている、羅はそれを見つつ屈に対してさらに話した。
「しかも二日後にや」
「魯さんが率いる長安からの軍勢が来られますね」
「そやからな」
 それ故にというのだ。
「あいつ等が来たら総攻撃に移る」
「そしてその総攻撃で」
「攻め落とすからな」
 それでというのだ。
「ここはや」
「民が餓える前に戦は終わる」
「そうなる、ほな今は待つで」
「魯さん達が来られるまで」
「敵は太原に十万の兵を置いてるが」 
 それでもというのだ。
「多くの砲に術を使えるモンにな」
「さらにですね」
「空船があり」
「おいら達もいます」 
 こう言ったのは残だった。
「そやからですね」
「そや、戦はや」
 それはというのだ。
「すぐに終わる、我等も攻めるしな」
「星のモンの力も使ってですね」
「そしてや」
「攻めるので」
「これ位の城はな」
 それこそというのだ。
「楽にや」
「攻め落とせますね」
「そや、攻め落としてや」
 そしてというのだ。
「戦を終わらせるで」
「そうしますね」
「敵にも星のモンがおるが」
 今度は呉達のことを話した。
「相手は三人こっちは九人」
「圧倒的です」
「その数を使ってな」
 そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「城を攻め落としますね」
「そや、しかしな」
「城の中の民家はですね」
「それは出来る限りな」
「傷付けん様にしますね」
「さもないと戦が終わった後民が戻る家がない」
 そうなるからだというのだ。 
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