恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百十五話 鷲塚、小次郎を気遣うのことその一
第百十五話 鷲塚、小次郎を気遣うのこと
孔明と鳳統の提案でだ。要人達に警護がつけられた。
当然曹操も同じでだ。左右に夏侯姉妹がいる。後ろには曹姉妹だ。
四人に囲まれてだ。曹操はこう言うのだった。
「何か同じね」
「これまでとですか」
「同じだというのですね」
「ええ、同じね」
こうだ。少し笑って四人に言うのである。
「貴女達が私の護衛をするのならね」
「流琉達も申し出たのですが」
ここで夏侯淵が言う。
「しかしそれでもです」
「やはりここは私達がです」
「やらねばならないと思いまして」
それでだとだ。曹仁と曹洪が曹操に述べる。
「ですからこうしてです」
「我等四人で」
「有り難う。けれどね」
それでもだと言う曹操だった。ここでだ。
「わかっているわね。軍の指揮はね」
「はい、お任せ下さい」
そのこともわかっているとだ。夏侯惇が話す。
「そのことも」
「頼むわよ。それで私はいいとして」
いいとしてそのうえでだというのだ。曹操は言う。
「麗羽達はどうなのかしら」
「まず袁術殿ですが」
夏侯淵がここで袁術のことを話す。
「張勲殿がおられます」
「張勲?あの娘が」
「そして出張という形で凛が願い出ていますが」
「いいわ」
苦笑いでだ。曹操はいいとした。
「行かせなさい。全く仲がいいんだから」
「ではその様に」
「全く。凛もぴったりと離れないわね」
袁術からだ。そうなっているのだ。
「困った娘だわ」
「ですが袁術殿もこれで大丈夫です」
それはいけるというのである。
「あちらの世界の面々は個性的な者ばかりですが」
「美羽のところは数は少ないけれどそうなっているわね」
袁術のところにはだ。確かにそうした面々が揃っている。
「あのジョーカーにしても」
「ジョーカーですか」
「何か掴めない人物よね」
「確かに」
夏侯淵もそのことに頷く。
「あの御仁は道化です」
「敵じゃないのはわかるけれどおかしな人物ね」
「そうですね」
「まあ凛のことはいいわ」
また言う曹操だった。
「凛のことが気になるのなら風もですね」
「行かせますか」
「こちらの軍師の仕事を果たしてくれるのならね」
そうした条件をつけながらもだ。曹操は郭嘉を袁術のところに行かせた。こうして彼女は袁術と常に一緒にいるようになった。そうして今はであった。
得体の知れない水を袁術に飲ませてだ。慌てふためく袁術を見てだ。
どや、という顔で笑っている。その彼女を見てだ。
張勲がだ。にこにことして言うのだった。
「あら、凛ちゃんも互角になってきましたね」
「美羽様とですね」
「はい。美羽様はかなり手強い方ですが」
「波長が合ってそれで」
「互角になってきたんですね」
「そうですね。美羽様のことは何でもわかってきました」
まさにそうだというのだ。
「とにかくです」
「後ですが」
「後は?」
「陽子殿はどうされてますか?」
そのだ。袁術がいつも遊んでいる娘はというのだ。
「やはり相変わらずですか」
「そうですね。陽子ちゃんではですね」
「美羽殿には勝てませんか」
「弄られ倒しています」
張勲はにこりとしてその陽子のことを話す。
「陽子ちゃんが黄色で美羽さんが桃色で」
「何かの戦う五人みたいですね」
「まあそれは置いておいて」
強引に話を勧める張勲だった。
「とにかく美羽様の御相手をできるようになるということはです」
「凄いことなんですか」
「凛ちゃんもその域に達しました」
こう言うのである。
「おめでとうございます」
「有り難うございます」
「いや、凄かったのじゃ」
何とか立ち直った袁術がここで言う。
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