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イベリス

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第四十四話 麦わら帽子を買いながらその九

「私も読むわ」
「咲ちゃんの影響受けて尚更ね」
「私のなの」
「ええ、咲ちゃんラノベよく読むでしょ」
「漫画もね」
「それで読んでたらね」
 そうしていると、というのだ。
「面白くてためにもなるし」
「色々学べるわよね」
「そうよね、漫画だってね」
 こちらもというのだ。
「そうよね」
「うん、漫画もね」
 咲もその通りだと答えた。
「何かとね」
「読んでるとね」
「ためになるわ」
「色々学べるわね」
「知識も入るし」
「漫画もラノベもそう思うと凄いわ」
「純文学と同じ位?」
「負けてないわ、というか純文学も読めばいいのよ」
 こちらもというのだ。
「そもそも娯楽だしね」
「楽しんで読めばいいのね」
「肩肘張らないでね、授業で勉強するとか抜いて」
 そうしてというのだ。
「読めばいいのよ、武者小路実篤なんて恋愛小説だし」
「そうなのね」
「あと志賀直哉は日常系なのよ」
「そちらの作品になるの」
「芥川とか中島敦もファンタジーだし太宰の御伽草紙だってね」
 彼のその作品もというのだ。
「ファンタジーだし宮沢賢治だってよ」
「銀河鉄道の夜もファンタジーになる?」
「SFかもね、森鴎外の高瀬舟も時代劇でしょ」
「言われてみたら」
「吉川英治なんてもう今じゃ完全にラノベだし」 
 そちらになるというのだ。
「そうでしょ、あの人の三国志とかね」
「有名よね」
「宮本武蔵だってね」
 彼の代表作もというのだ。
「今で言うとね」
「ラノベね」
「そう、痛快な」
「ライバル達と戦って勝っていく」
「恋愛もありのね」
 お通とのことも話した、尚史実ではこうした女性はいなかった様だ。佐々木小次郎の年齢も史実では諸説って武蔵と同年代ではなかった可能性もあるのだ。
「そうしたね」
「娯楽の作品で」
「ライトノベルってね」
 その様にというのだ。
「思っていいわ」
「そうなのね」
「宋、だから純文学もね」
「読んでいったらいいのね」
「そうよ、楽しんでね」
「そういうことね」
「そういうの読んでいたら」 
 愛はここで声のトーンを急に下げて言った。
「もう哲学書なんてね」
「読まなくていいのね」
「読んでも吉本隆明みたいな馬鹿の本はね」
「読む価値なしね」
「あんなのの本読むより」
 それよりもというのだ。 
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