八条学園騒動記
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第六百五十二話 打ち上げの時にその八
「誰もが贈っていた」
「礼儀でね」
「当然浅野さんもな」
内匠頭もというのだ。
「普通にだ」
「贈っていたね」
「そして上野介さんもだ」
「要求しないね」
「当然だからな、そして鰹節だけというのもな」
「なかったね」
「多少のお金もな」
これもというのだ。
「付け届けで当然だからだ」
「贈っていたね」
「そうだった、だからこの話は創作だ」
「それ言われてるね」
「むしろヒス気味の浅野さんがだ」
「切れてね」
吉良が悪口を言ったと勘違いしてだ。
「暴れたのがことの真相だ」
「そうらしいね」
「当然烏帽子代紋もない」
「あれ若し本当だったら教える側の吉良さんの失態になるから」
「ある筈がない」
「それじゃあだね」
「どう考えてもだ」
忠臣蔵の真相はというのだ。
「浅野さんが勝手に暴れてだ」
「後で赤穂浪士の人達が殴り込みかけたんだね」
「江戸市中で刀を抜いてな」
「お殿様は江戸城内で刀抜いて」
「家臣は四十七人でだ」
文字通り徒党を組んでだ、意地悪く言えば。
「刀を抜いてだ」
「吉良さんを殺したね」
「しかもその首を持ってだ」
誰の首かは言うまでもなかった。
「江戸市中を堂々と歩いた」
「そう考えると凄い話だね」
「浅野さんも赤穂浪士も切腹でだ」
「当時の日本だと当然だね」
「そうなって当然だ」
「しかも幕府批判してるんだったね」
「あの作品はな」
歌舞伎での判官つまり内匠頭切腹は室内であり大星つまり大石が見届けたがこれは即日しかも外で大名を切腹させた幕府の処置へのあからさまな批判であるのだ。
「それでも江戸時代上演された」
「上演許した幕府も凄いね」
「そうだな、それで付け届けはな」
タムタムはこちらに話を戻した。
「連合でもだ」
「やっていてね」
「普通にだ」
まさにというのだ。
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