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おぢばにおかえり

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第六十八話 入学式その三十

「やっぱり」
「はい、もうそれ絶対に駄目ですよ」
「それはそうだけれどね」
「そういうことした人は今も嫌いですよ」
「先輩を好きになることはないのね」
「絶対に」
「もうそこまで言うならね」
 新一君のこの癖性分もわかってきたので。
「いいわ、やっぱり好き嫌いはあるし」
「先輩が尊敬する人でもですね」
「その剥き出しの嫌いだって感情ととか意地悪とかがないとね」
「意地悪ですか」
「嫌いな相手のいやがることを徹底的にするのよね」
「それを調べて」
「それ嫌われるどころじゃないけれどね」
 私がされてもです。
「恨まれるわよ」
「こっちも一生恨みますしね」
「一生どころじゃないでしょ」
「多分一生どころじゃないわね」
「生まれ変わってもですね」
「それだけしつこいのも駄目よ、そうは見えないのに」
 執念深い様にはです。
「新一君はそんな子なのね」
「これがよくないんですよね」
「いつも言ってるけれどそうよ」
「そうなんですよね、なおす気はないですがなおればいいですね」
「なおす気がないとなおらないわよ」
「やっぱりそうですね」
「そうよ、ただ新一君ひのきしんは熱心だし」 
 このことは素直にいいことだと思います。
「嫌いじゃない人には公平で親切なのね」
「そうなりますね」
「あと参拝もしっかりするし」
 そしておみちのこともよく勉強しています。 
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