おっちょこちょいのかよちゃん
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197 目指すは杯
前書き
《前回》
ゴジラによって山脈の中に飛ばされたかよ子達は藤木奪還に向けて再び動き出す。ところがその場に赤軍の長・重信房子と戦争主義の世界の長・レーニンが立ちはだかる。そしてそのレーニンは杉山を身体の核として取り込んでおり、杉山もまたレーニンの側に協力している事をしる。襲撃を受けるかよ子達だが、山脈の火山がかよ子の杖に力を貸してレーニン達を撃退させる。だが、レーニンと房子の目的はりえの杯だとかよ子達は知る!!
かよ子はレーニン達の狙いが杯だと解ると直ぐ様通信機を取り出した。
(りえちゃん達が危ない・・・!!)
かよ子は杯の所有者へと連絡を試みた。
「こちら山田かよ子!りえちゃん!!」
『かよちゃんっ、どうしたのっ!?』
「今、赤軍の女の人に異世界の敵と会ったんだ!その人達の狙いはりえちゃんの杯だよ!気を付けて!!」
『ええっ!気をつけるわっ!』
「それから異世界の人なんだけど、その人はレーニンって言って、実は・・・」
『えっ?』
「杉山君を取り込んで動いているよ!」
『何ですってっ!?兎に角、私達も杉山君を探してた所だから強引にも連れ返すわっ!ありがとうっ!』
「うん!」
連絡を終了した。
(私じゃなくてりえちゃんをレーニンは、いや、杉山君は狙った・・・)
かよ子は邪推した。
(いけない、こんな時にヤキモチなんか妬いてる場合じゃなかった・・・)
その時、通信機から連絡が来た。
『こちらフローレンス。藤木茂救出班の皆様、何がありましたのですか!?』
「フローレンスさん・・・?」
妲己はまた屋敷を出る事になった。
「全く、レーニン、また呼び出して・・・」
妲己は見送る遊女に告げる。
「いいか、あの坊やと楽しく遊んでやるのだぞ」
「了解しました!行ってらっしゃいませ!」
妲己は馬に乗って向かった。
「しかし、坊やの嫁に相応しきおなごが見つかったと連絡があったとはな。どんな娘か・・・」
かよ子達の元にフローレンスから連絡が来た。
「フローレンスさん、レーニンって人と赤軍の人が襲ってきたんです!」
『レーニンですと!?』
「はい、それで杉山君がレーニンと一緒にいました・・・。一心同体みたいになってました・・・」
『そうでしたか。山田かよ子ちゃん、他の皆様は如何なされていますか?』
「レーニンの攻撃で気絶しています!」
『分かりました。今、起こしましょう』
皆が起きた。
(凄い、フローレンスさん・・・。そういえばあの時も杉山君を起こしてた・・・)
「山田かよ子、無事だったか!?」
次郎長が慮った。
「うん、私は大丈夫!でも、レーニンと赤軍の女の人達はりえちゃん達を襲うつもりだよ!」
「りえちゃんをお!?」
「大丈夫なのかよ?」
『皆様、起きましたか?こちら本部のフローレンスです。皆様が無事でよかったです。杯の持ち主につきましては我々や領土攻撃班の者が対処致します。先に進んでください』
「はい!あ、フローレンスさん」
『はい?』
「私、さっきレーニンに襲われそうになった時、近くの山脈の火山が杖に力を貸してくれたんです。あの山は一体・・・?」
『はい、その山脈には四つの道具、杖、護符、杯、そして剣の能力の源が含まれていますのです。その山が杖を守りましょうと言う気持ちに応えて山田かよ子ちゃんをレーニンから守りましたと言います事です』
「はい、ありがとうございます!」
『では私達も切羽詰まっていますのでこれで失礼いたします』
通信が終了した。
(りえちゃん、無事でいて・・・!!)
かよ子は戦友であり恋敵のような杯の所有者の無事を祈りながら先へ進むのだった。
杯の所有者・安藤りえは杖の所有者の報告を受け心臓の鼓動が強くなっていた。
「杉山君がこっちに来るわっ!」
「す、杉山君があ!?」
冬田も驚いた。
「兎に角、敵の人間が杉山君を取り込んでいるって事だわっ!」
その時、通信機からまた連絡が入った。
『こちらイマヌエル!山田かよ子君からの連絡が来ているとは思うが、そちらに赤軍の人間および敵の世界の長が来ている!こちらも数名援軍に向かうぞ!』
「あ、はい!」
「悠一さん、そのテクンカネでイマヌエル達を呼んだ方がいいんじゃないかしら?」
ありが夫に案じた。
「そうだな。それにしても敵の世界の長が来るとなるととんでもない戦いになるはずだ!」
悠一はテクンカネを発動した。項羽のように古代の中国の武将のような男が現れた。
「そなたは劉邦ではないか!」
「項羽!」
「まさか嘗ての敵同士と共闘する事になろうとはな!」
「おう!杯を護る為だ!何が何でも死守するぞ!」
「ありがとう、劉邦!!呼んだのは俺だ!」
悠一が名乗り出た。
「お主か、フローレンスとイマヌエルから連絡は来ている。そしてこの小娘が杯の所有者だな?絶対に迎え撃とう!」
「はいっ!お願い致します!」
その時、が、感知した。
「く、来たるで、奴らが!!」
「もう杉山君が来たのっ!?」
りえはそう予測した。
「向こうの方角だ!」
シャクシャインが北東の方角を指した。
「まず俺がやってやる!」
鎌山が鎌でかまいたちを起こした。しかし、すぐに消滅してしまった。
「おおっと!危ない事してくれるね!」
相手は馬に乗った女性だった。
「お前が杯の所有者か。確かに可憐な容姿をしておるな」
「えっ?」
「頂こうか、お前事」
女性が変化した。巨大な狐の姿に変化した。だが、尻尾が九本もあった。
「何やあれは!?」
「きゅ、九尾の狐!?」
九尾の狐となった女性は青い炎を噴き出した。
「ええいっ!」
りえは杯を出し、炎に向けた。炎の精霊が召喚される。炎の精霊は火炎放射をして狐の炎に拮抗する。
「りえちゃん!私達も行くよ!」
みゆきがブーメランを投げた。鈴音も錫杖で炎を巻く。
「ギャアア!」
九尾の狐には案外効いているようだった。
「わいもや!」
立家は駒爪から電撃を浴びせる。バギッと破壊される音がした。
「ありがとうっ、みんなっ!」
「これは機械が壊れる音ね」
「よし!」
りえは立家の電撃に杯を向け、今度は雷の精霊を召喚させた。ありも神を呼び出し、項羽と劉邦も攻撃にかかる。
「す、凄いわあ・・・」
「冬田さん、見惚れてないで一緒に戦って」
「あ、はあい・・・」
ありに促されて冬田も加勢しようとする。しかし、九尾の狐は倒れていなかった。
「む!別の敵が来ているぞ!」
項羽が告げた。
「え?」
「妲己よ、よく来てくれた」
「この声は・・・!」
車が現れた。降りてきたのは一人の男性と一人の女性だった。
「貴女が杯の持ち主の女の子ね」
「我が名は民主を立ち上がらせし者であり、武力を持つ事を正義とする者の主・レーニン。どうあがこうが、杯は頂こう」
そしてレーニンの声が変わった。
「それからお前は俺を探してたんだろ?やっと会えたな」
りえは感づいた。
「え?杉山君!?」
後書き
次回は・・・
「少女は生け捕りに」
杉山が己の身体をレーニンに売って赤軍や戦争主義の世界と手を組んだことに激怒したりえは杉山をそのまま倒そうと牙を向ける。だがりえを狙いに来た妲己も合わさってりえ達は苦戦してしまい・・・!?
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