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FAIRY TAIL もう一人の滅竜魔導士「氷竜」

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合体魔法(ユニゾンレイド)

 
前書き
何だかんだで、原作とそれなりに変えるところは変えてるんです。 

 
ガタガタガタガタ

「これ!あたし達が使っていた魔導四輪じゃないわよね」

「鉄の森《アイゼンヴァルド》の周到さには頭が下がる、ご丁寧に壊していきやがった」

「弁償かぁ」

エルザ達は、始めに乗っていたのとは違う魔導四輪にてエリゴールを追いかけていた。

「けっ!それで他の車盗んでいたら世話ないよね」

「借りただけよ!エルザが言うには」



「…なぜ僕をつれていく?」



意識を取り戻し、治療までしてもらったカゲヤマは、バツが悪そうに訪ねた。

「しょうがないじゃない、町にはお医者さんが居なかったんだから、クローバーの町に連れてってあげるのよ」

「そうじゃない!何で僕を助けたのかって聞いてるんだ!敵だぞ!」

「死にてぇなら殺してやろうか?」

グレイが、魔導四輪から外を眺めながらそう答える。

「生き死にだけが決着の全てじゃねぇだろ…もう少し 前を向いて生きろよ、お前ら全員さ」


ガタン!


「キャ!」

ムギュウ

魔導四輪が大きく揺れ、それにバランスを崩したルーシィのお尻がカゲヤマの顔を押し付ける。

「エルザ!!」

「はぁ、はぁ…すまない、大丈夫だ」

(目がかすむ…流石に魔力を消耗しすぎたか…)

「デケェケツしてんじゃねぇよ」

「セクハラよ!!!グレイ!コイツ殺して!!」

「オレの名言チャラにするんじゃねぇ」

(ナツ、リート…エリゴールを止めていてくれ、奴を止められなければこの辺りのマスターは全滅する…)


・・・


「こい、物騒な笛ごと燃やしてやる」

「もう逃がさねぇ今度こそ氷付けにしてオブジェにして飾ってやるよ」

ナツとリートは、エリゴールを睨み付け臨戦態勢に入った。しかし、ナツはどーしても一人で相手をしようとする。

「リート!ここはオレにやらせろよ!」

「そういうなよ、今回ばかりはコイツにはオレも一発くらいは、ぶん殴らねぇと気が収まらねぇんだ。今度ミラに頼んで炎の料理一品一回だけタダで食べられるように頼んでやるからよ」

ナツは1人で戦おうとするが、リートも譲れない気持ちでいたのかナツと軽い口論になる。

(魔風壁は…カゲヤマ共はどうしたんだ…あと少しでジジイ共のいる場所に着くというのに…)

(本当に邪魔なハエ共だぜ!)

「「!?」」

口論する二人を他所に、エリゴールは、魔力を込めた突風を二人にぶつけた。

「消えろ」

「痛って」
「くそっ」

ナツとリートの体を、風の刃が切り刻んでいく。

ぐらっ

「やばっ!」

「ナツ!」

バランスを崩したナツが、橋から落ちてしまった。

「ナツ!性質を変えろ!」

「!?んがぁぁぁ!」

リートの合図で炎の性質を変えたナツが、橋を炎で掴みそのまま橋の上まで戻ってきた。

「ふぅ、危ねー」

「最近油断しすぎだぞおまえ」

エリゴールは、性質を変えた炎に理解できずに困惑する。

「な…何だ今のは」

「お前に説明する道理はない」

「裸じゃ寒みぃだろ?暖めてやるよ」

ナツが足元を爆発させ、エリゴールの懐に突っ込み腹を殴り付ける。

(速い!)

「火竜の鉤爪!」

ナツは足に纏った炎で蹴りを放つが、それをエリゴールはかわし攻撃を仕掛けようとする。

「調子にのってんじゃねぇぞハエがぁぁ!」

「オレもいるのを忘れてんじゃねぇよ」

「!?」

「氷竜の凍剣!」

手刀の形をしたリートの手が氷で纏われ、鋭利な刃物となりエリゴールの背中を切りつける。

「ぐはぁ!」

エリゴールは、リートの一撃を受けすぐに上空に飛び上がる。

「うざってぇ!」


「暴風波《ストームブリンガー》!!」


巨大な竜巻がリートとナツを襲うが、

「何!?」

竜巻が晴れると、ドーム状になった氷の塊が、ナツとリートを守っていた。

「氷竜の健円…からの」

ドームが割れると同時に、ナツとリートは空気を吸い込む。

「火竜の」「氷竜の」



「「咆哮!!!」」



二人のブレスがエリゴールに迫るが、エリゴールは上空に逃げてそれをかわす。

「くそっ!」

「フラフラ飛びやがって!ずりぃぞ!降りてこい!」

「いや、降りてこいって言われて素直に従うやつじゃねぇだろ…」

エリゴールは、空中で一度体制を立て直し二人を見下ろした。

「貴様らの力少々侮っていたようだ…ここからは全力でいこう…お互いにな」

エリゴールはそう言って真剣な表情になると、ナツとリートも、もう一度臨戦態勢に入る。

「燃えてきたぞ」
「凍らせてやる」


「暴風衣《ストームメイル》」


エリゴールが、小さな竜巻を纏いだした。

「おお!」
「何だ?」

「いくぞ」

エリゴールが蹴りを入るため、上空から二人に向かってくるが、二人はそれを余裕でかわす。

「火竜の…鉄拳!」

ブバァッ!

ナツの纏っていた炎が、エリゴールに当たる直前に書き消された。

「あれ?」


「ナツの炎をかき消した!?」

「くそっ!」

バスッ!シュウゥゥ

もう一度、ナツは拳に炎を纏って殴りかかるが、やはりエリゴールに当たる前に炎を欠き消されてしまう。

「やはり炎を纏ってなければこの程度か、話しにならんな」

「だったら氷ならどうだ?」

「氷竜の硬拳!」

ガシッ!

「なっ!?」

氷を纏ったリートのパンチを、エリゴールはアッサリと受け止める。

「無駄だ、例え炎じゃなくても暴風衣《ストームメイル》は常に外に向かって風が流れている。
わかるか?人は向かい風には逆らえねぇんだ、物理攻撃の威力すらも殺すオレのストームメイルは誰にも破れねぇ」


エリゴールは、さらに纏っている風を強めた。

「すげぇ風だ!」

「これじゃあ台風だぞ!」

「これでは流石に近づけまい」

「死ねぇぇ!」

エリゴールは二人に向けて鎌鼬《かまいたち》を繰り出す。

「ちっ!」
「おっと!」

「はぁぁ!」

エリゴールの攻撃をかわす二人だが、攻撃ができなくかわし続けるしかなかった。

「ぬらあぁぁ!」

「無理だ!ナツ!」

ナツは爆発を利用し、エリゴールに突っ込もうとするがエリゴールの放つ風が強すぎて、簡単に吹き飛ばされる。

「くそっ!炎どころかオレが近づけねぇ!」

「だから言っただろ!」

そして先程まで気を失っていたハッピーとラリカが、強風で目を覚ます。

「くらえ!全てを切り刻む風翔魔法!翠緑迅《エメラ・バラム》」

「翠緑迅《エメラ・バラム》だって!?」

「そんなのをくらったらバラバラになりますわよ!」

「死ね!ハエ共!」

エリゴールが翠緑迅を発すると、戦っていた橋が切り刻まれボロボロになっていく。

「ナツー!」
「リートー!」

翠緑迅が消えて、橋の上では煙が充満していた。

「若ぇ魔導士にしてはなかなかだったぞ、安心しろ…すぐにジジイ共もそっちに送ってやる…呪歌の音色でな」

「何が…呪歌だ…」

「ふざけんじゃねぇぞ…」

煙が晴れ、ナツとリートはボロボロになりながらも何とか立っていた。

「!?」

「ナツ!」
「リート!」

翠緑迅《エメラ・バラム》を食らう直前、リートは本来より薄いが、氷の壁を張り威力を弱めナツとその身を守っていたのだ。

「じっちゃんの首が欲しいなら正々堂々と戦え!」

「戦う覚悟のねぇやつが人の命をもてあそんでんじゃねぇよ!」

「なんてしぶてぇガキ共だ!」

ナツはエリゴールに突っ込むが、やはり吹き飛ばされてしまう。

(どうする?このままやってもラチがあかねぇ…)

「ちくしょぉぉぉ!」

ナツは感情が高ぶり、さらに火力を上げる。

「何で近づけねぇんだ!納得いかねぇ!」

(何だ?エリゴールの風が妙な方向へ流れている...)

「それにしても不気味な魔法だな感情がそのまま魔法に現れてるようだ...」

風の流れがおかしいことに気付いたリート、ハッピーもそれに気付いたようで、リートに声をかける。

「リート!」

「!?ハッピー!やっぱりか!?」

「うん!」

「なんの話しをしてますの!?」

その間も、ナツは怒りで火力を増していく。

「…感情の魔法…確か古代の魔法にそんなのが…しかしこんな若造に使えるわけが」

すると。、エリゴールの風の鎧がゆっくりと消えていく。

「ハッピー!ナツをイラつかせられるか?」

「あい!ナツー!!!」

「!」


「無理…ナツじゃ勝てないよリートに任せよ」


「んだとコラァァァ!!!」

ハッピーの言葉にキレたナツの火力が、最高長に上った。

「でかしたハッピー!」

「オレの風が!流されて!」

(下で暖められた空気は上昇気流となる、つまり風は気温の低い方、上へと流れる!)

「これでもうお前を守る風はなくなった」

「これ程の魔法!まさか!いたのか滅竜魔導士《ドラゴンスレイヤー》が!」

「ナツ!」

「リート!」

「右手の炎と左手の炎を合わせて…」

「右手と左手の冷気を合わせて…」

「これでも食ってろ!」

「凍てつけ!」


合体技(ユニゾンレイド)



氷火煌炎乱《ひょうかこうえんらん》!!



ナツの技(火竜の煌炎)と、同じ要領で相手を凍らせる技(氷竜の凍乱)によりエリゴールは倒された。

「おっしゃ!」

「やりましたわ!」

「どうだ!ハッピー!!」

「あい!流石双竜です」

「お前さっき何て言った」

「猫の記憶力はショボいので」

「自分で言っててむなしくならねぇか?それ」

「全くですわ」

「オレじゃコイツに勝てねぇから『エルザ』がどうとか言ってただろ!」

「猫よりひでぇじゃねぇかコイツは」

「ある意味ここまでくると凄さを感じますわね」

ナツの台詞に、その場の全員があきれていた。

「でも、ナツは勝ったよ」

「リート込みですけどね」

「余計なこと言うなよラリカ」

「つーか何で最後攻撃が当たったんだろ?」

「ナツがすごいからです」

「そうか?かっかっか!」

ナツは、機嫌がよさそうに笑っていた。

「…単純…」

「ですわね…」 
 

 
後書き
ハーメルンでも書いてますが、初出しの技を合体技にするのはどうかと思うところもあったんですが、こっちの方が主的に好みなので多めに見てくれると嬉しいです。 
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