| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百三十一話 青梅省の動きその十四

「是非」
「それでは」
「これで三つの省の商業は盛んになるな」
 曹は莫が商人であることからも述べた。
「有り難いわ」
「そうなりますか」
「ああ、しかし自分でかいな」 
 曹は今度は莫の身体のことを話した。
「やっぱりトロールやからやな」
「そうですね、この種族はやはり」 
 莫も種族の話に入った。
「大きいですね」
「それでノームは小さい」
「そうした種族ですね」
「この世界色々な種類の人がおるが」
「それぞれ個性がありますね」
「ノームは小さくて地に縁が深くてな」
 そうしてというのだ。
「そしてや」
「トロールも地と縁があり」
「大きいな、力持ちやしな」
 トロールはというのだ。
「それでノームは信仰心が篤い」
「そうなっていますね」
「けど自分の努力次第で能力は変わる」
「違いは個人差位ですね」
「そやねんな、やっぱり人という一括りから見れば」 
 そうすればとだ、曹は白酒を飲みつつ話した。
「種族の違いはな」
「外見や大きさ位ですね」
「その大きさもな」
 これもというのだ。
「栄養でや」
「ある程度変わりますね」
「そやからな」
「あまり違いはない」
「そういうことですね」
「そやな、ほなそのノームとトロールでな」
「これからはですね」
 莫も白酒を飲んだ、そうして曹に応えた。梨の木々の中で卓を囲んでそのうえで笑顔で言っていた。
「やっていきますね」
「この世界の為に」
「そうしてこな」
 二人で乾杯した、そうしてだった。
 共に飲んだ、その後でだった。
 曹は鯉に箸をつけた、そのうえで曹に話した。
「やっぱり鯉はええわ」
「美味しいですね」
「どう料理しても美味いわ」
「わたくしもそう思います」
 莫も鯉に箸をつけて述べた。
「煮ても焼いてもで」
「揚げてもな」
「そうですね」
「日本人とか南やと刺身にするしな」
「あれはやっと最近食べられる様になりました」
「僕もや」
「生で食べるのは」
 このことはというと。
「やはり中国では殆どないですね」
「お寿司かてな」 
 この料理もというのだ。
「ちょっとな」
「抵抗がありますね」
「生やからな」
 そのネタがというのだ。
「どうしてもな」
「最初は抵抗がありましたね」
「そやけどな」
 それがというのだ。
「今はな」
「食べられますね」
「そうなってるな」
「えらい変わりましたね」
「全くや、しかし今はな」
「揚げたものをですね」
「一緒に食おうな、こうして一緒に飲んで食って」
 そうしてというのだ。
「話してな」
「絆を深めていきますね」
「そうしていこな」
「はい、お互いに」
 莫は曹に微笑んで応えた、そうして絆を深めていき共に世界を救う為に働いていくことを誓い合うのだった。


第二百三十一話   完


                    2021・10・23 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧