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前いた学校程でなくても

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第二章

             前いた学校程でなくても
 高校に入学してすぐにだった。
 菊竹恵梨香はその高校の授業が簡単過ぎると思った、それでまさかという顔になってクラスメイトに尋ねた。恵梨香は白い肌に睫毛の長いきらきらした目とやや太く濃い長い眉を持っていて黒髪はやや縮れていて長く伸ばしている。一五八程の背で胸はあまりないが全体的にスタイルはいい。学校の制服である濃紺のブレザーとそれと同じ色の短いプリーツスカートと赤リボンに白ブラウスの制服も似合っている。
「あの、この高校って」
「どうしたの?」
「この校区の公立で一番よね」
「そうよ、この学区内でね」 
 クラスメイトは恵梨香に答えた。
「偏差値は一番よ」
「そうよね」
「っていうか菊竹さん中学確か」
「ええ、実はね」
 全国でも有名な中高一貫の学校だ、恵梨香は父の仕事の都合の関係で今の場所に高校入学と同時に引っ越してきたので高校はこちらの公立を受けたのだ。その一貫校には寮はなく仕方なくそうしたのだ。
「あそこだけれど」
「あそこのレベルは凄いからね」
「有名みたいね」
「有名も有名よ、全国レベルじゃない」
「そこで中三までいたけれど」
「入試も楽だった?」
「それは公立の入試だしね」
 何処も同じだというのだ。
「ここの私立ちょっと入試の時調子悪く落ちて」
「ここに来たのね」
「そうだったけれど」
「けれどこの学校の偏差値高いからね」
「校区で一番ね」
「だから安心してね、成績よかったらね」
 この学校の中でというのだ。
「絶対にいい大学も行けるから」
「頑張ればいいのね」
「そうしたらいいわ」
「それじゃあね」 
 恵梨香も頷いた、そうしてだった。
 随分簡単だと思ったその授業を真面目に受けていった、すると。
 進学校の中でもトップクラスを維持し続けた、それは一年の時だけでなく二年でも三年でもそうであり。
 大学受験が迫るとだった、担任に先生に笑顔で言われた。
「東大も京大もな」
「行けますか」
「東大の文一だってな」
 そこもというのだ。 
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