八条学園騒動記
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第六百五十話 終わってからその十
「それでね」
「そんな展開にして」
「それで再戦ならいいけれど」
もう一度向かうならとだ、カトリは言った。
「けれどね」
「勝ち逃げとか?」
「もう相当ひねくれてるっていうか」
「もうそこまでやるとね」
ジョンが言ってきた、やはり三人共手は止まらない。これはクラスの他の面々にしても同じである。
「わかってないね」
「ストーリーがね」
「そうした人ってあれじゃない?」
ジョンは考える顔で述べた。
「漫画を描いても」
「それでもなの」
「これ小説とかでもだけれど」
他の媒体でもというのだ。
「まともな創作に触れたことのない」
「そうした人なの」
「まともな漫画や小説を読んだことがなくて」
そうしてというのだ。
「ゲームとかもね」
「してこなかったの」
「そうした人でね」
「まともなストーリー知らなくて」
「知らないならね」
それならというのだ。
「描けないよね」
「ええ、人間知ってるものしか書けなくて」
カトリはアンに言われたことを思い出しながら答えた、漫画を描いている彼女のそれをだ。
「描くこともね」
「出来ないよね」
「それでキャラクターもね」
登場人物もというのだ。
「自分の中にないキャラはね」
「描けないね」
「それで自分以上の存在もね」
「同じだね」
「だから凄い人はね」
そうした創作者はというのだ。
「凄いキャラクターもね」
「描けるね」
「だからまともな創作に触れたことなかったら」
「まともなストーリーも駄目で」
「まともなキャラクターもね」
「駄目だね」
「そうなるわね」
カトリはジョンに述べてジョルジュにも話した。
「やっぱり」
「そうだよね」
「読んで描くことも創作のうちってことだね」
二人でカトリに応えた。
「要するに」
「そうなるね」
「その人は結構ベテランでね」
カトリはその作品の作者の話もした。
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