夢幻水滸伝
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第二百三十話 西方にてその九
「そうした状況です」
「敵は一気にこちらを叩くつもりの様です」
「騎兵の機動力と衝撃力を以て」
「その後で歩兵で攻めるつもりの様です」
「歩兵も急いでいます」
四万の彼等もというのだ。
「騎兵についていっていますが」
「かなりの早足です」
「まだかなりの時間進んでいます」
「そうしてです」
「こちらに来ています」
「もう疲れも考慮してへんか」
曹は士官達の言葉を聞いて頷いた。
「一気にこっちを攻めて返す刀で甘粛省から来る別動隊に向かうにしても」
「もうそれを考慮する余裕がない」
「それが今の彼等ですね」
「ではその彼等に対してですね」
「我々はどう戦うかですね」
「必死に向かって来る場合余裕がない」
曹は鋭い目になり述べた。
「そして周りもな」
「見ていない」
「進んで攻撃を仕掛けることばかり考えていて」
「他のことはですね」
「一切考えていませんね」
「そや、それがな」
そのことはというのだ。
「敵の弱点や、そやからな」
「ここはですね」
「敵のその余裕のなさを衝きますか」
「その様にしますか」
「そうする、こっちは空船もあるしな」
上を見上げれば一隻ある、実は長安の方にももう一隻あるがそちらは予備として控えさせているのだ。
「そやからな」
「それで、ですね」
「空から敵軍を見ていき」
「そしてその動きを把握し」
「そのうえで、ですね」
「戦う」
士官達に告げた。
「そうするで、そして空船からの攻撃もな」
「行いますね」
「爆撃を」
「そうもしますね」
「その時はな、ほな敵の動きをしっかりと見ていくで」
こう言ってだった。
曹は自軍に必死に向かって来る敵軍に対して川沿いに余裕を以て進んでいった。そして敵軍が自軍の側面からまさに全力で進んでくると知り。
「左翼に騎兵を置く、そして中央と右翼はな」
「歩兵ですね」
「そして砲兵ですね」
「彼等を配し」
「そうしてですね」
「戦うで、敵が来たら」
その時はというのだ。
「歩兵と砲兵は守りに徹し」
「騎兵ですね」
「それに空船ですね」
「彼等を使い」
「そうしてですね」
「攻める、そして敵を崩したら」
騎兵と空船の攻撃でというのだ。
「その時はですね」
「歩兵も攻撃に移る」
「砲兵はそのまま砲撃を行い」
「敵を倒しますね」
「この一戦で勝負をつける」
曹は強い声で述べた。
「強気な敵の領主の鼻っ柱を折ってな」
「その敵の領主ですか」
士官の一人、若い吸血鬼の女の彼女が言ってきた。
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